子宮摘出、ロボット支援下で手術も 2~3日で退院可能 傷が小さく出血少ない

子宮摘出、ロボット支援下で手術も 2~3日で退院可能 傷が小さく出血少ない

2024年03月07日公開

子宮筋腫や子宮腺筋症の根治的治療として子宮を摘出することがあります。今後出産の予定がない方や、過多月経で日常生活に支障がある方が対象になります。

 今回は手術をお勧めした際に、患者さんからよく質問される内容についてお答えします。

 Q 子宮を摘出したらすぐに更年期になるのですか。

 A 月経はなくなりますが、女性ホルモンを分泌する卵巣は温存するので、すぐに更年期症状が出ることはありません。

 Q 子宮を摘出したら、子宮があった場所はぽっかりと穴が開くのですか。

 A 自宅で例えると室内の机を移動させるようなもので、穴が開くのではなく、部屋のスペース(おなかの中の空間)が広くなるといった感じです。

 Q へそを超える大きな子宮と言われました。腹腔(ふくくう)鏡で手術は可能でしょうか。

 A 施設の方針にもよりますが、術前に3カ月ほどホルモン剤を内服していただくことで子宮を縮小させて、腹腔鏡下またはロボット支援下手術を行うことは可能です。

 Q 開腹手術と腹腔鏡下・ロボット支援下手術の違いは。

 A 以前より開腹手術が基本ではありますが術中出血が比較的多く、退院まで約1週間を要し、場合によってはおなかの傷がへそを超えることもあります。限られた施設になりますが腹腔鏡下、ロボット支援下に子宮を摘出することは可能です。開腹よりも出血が少なく傷が小さいため、整容性にも優れます。術後2~3日で退院でき社会復帰も早く、働く女性にメリットの多い手術です。

 ロボットと聞くと、人工知能(AI)を搭載した自動で動くロボットが、ロボットの判断で手術をするようなイメージを持つ方もいるかもしれませんが、実際は術者の手の代わりをロボットアームがしてくれ、そのアームは術者自身が操作します。

 県内の婦人科では3月現在、4施設でロボット支援下手術を受けることができます。手術を検討している方は相談されてみてはいかがでしょうか。

上地秀昭 中部徳洲会病院婦人科 (北中城村)

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