世界腎臓デー 健康習慣で腎臓病予防を

世界腎臓デー 健康習慣で腎臓病予防を

2024年03月13日 公開

 毎年3月の第2木曜日は世界腎臓デー(2024年は3月14日)として、腎臓の健康に関する啓発イベントが世界各地で行われています。腎臓は、私たちの体内で多くの重要な機能を果たしており、その働きは目に見えないものの、健康に欠かせないものです。血液中の余分な水分や老廃物の排出、血圧や貧血、ミネラルバランスの調整など、腎臓の役割は多岐にわたります。

 日本では、腎臓病の患者数は約1330万人と言われ、成人の約8人に1人の計算です。腎臓病は初期段階では自覚症状がほとんど現れず、沈黙の病気として進行することが多いため、検診や病院受診の際に初めて気づかれることが少なくありません。

 腎臓病の主な原因は、糖尿病、高血圧、肥満などの生活習慣病からくるものが多いです。生活習慣病を放置すれば、腎臓の機能は次第に低下し、最終的には腎不全となり、透析治療や腎移植が必要となる場合があります。さらに、腎臓病は心筋梗塞や脳梗塞などのリスクを高めることが知られています。

 しかし、腎臓病は予防や早期治療が可能な疾患です。生活習慣の改善や定期的な検診を通じて、腎臓の健康を守ることができます。ただ、生活習慣病の罹患(りかん)率が増えている一方で、腎臓病についての認識はいまだに浸透しているとは言えず、将来の腎臓病治療に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、世界腎臓デーは、腎臓病に対する関心を高め、腎臓の健康に対する重要性を考えるために設けられています。

 最後に、腎臓の健康を維持するための五つの健康習慣をご紹介いたします。一つ目は、生活スタイルをアクティブに。適度な運動は腎臓の健康を促進します。二つ目は、健康的な食事を取ること。バランスの取れた食事は腎臓にとって重要です。

 三つ目は、血糖値の管理。糖尿病が腎臓に与える影響を抑えるために、血糖値を管理しましょう。四つ目は血圧をチェックし管理すること。高血圧は腎臓に負担をかける要因です。そして五つ目は、タバコは吸わないこと。喫煙は腎臓病のリスクを高めます。

 これら健康習慣を実践し、腎臓の健康を守りましょう。

 西平守邦 友愛医療センター 腎臓内科 (豊見城市与根)

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