アルツハイマー病 「マインド食」で認知症予防

アルツハイマー病 「マインド食」で認知症予防

2023年10月25日 公開

 認知症の中で最も多いアルツハイマー病の原因物質は、発症のおよそ20年前から脳内に蓄積し始めることが明らかになっています。その発症を食事でかなり予防できることもわかってきました。

 今回はアルツハイマー病の予防に役立つ食事法「マインド(MIND)食」をご紹介します。

 「マインド食」でおすすめするのは次の10項目です。(1)主食をすべて全粒穀物(玄米、全粒粉のパンや麺類)にする(2)緑の葉野菜を週6回以上食べる(3)その他の野菜を1日1回以上食べる(4)ベリー類(いちご・ぶどう・クコの実・ブルーベリーなど)を週2回以上食べる(5)牛・豚肉(加工食品を含む)を週1~3回食べる(6)鶏肉を週2回以上食べる(7)魚を週1回以上食べる(8)豆類(大豆・あずき・そら豆・ピーナッツなどマメ科植物の実)を週4回以上食べる(9)ナッツ(クルミ・アーモンド・カシューナッツなど硬い殻におおわれた木の実や種子)を週5回以上食べる(10)一番多く使う油をオリーブオイルにする。

 「マインド食」で控えるのは次の5項目です。(1)甘いお菓子は週5回までにする(2)ファストフードや揚げ物は週1回までにする(3)バターやマーガリンは一日大さじ1杯までにする(4)チーズは週1回までにする(5)アルコール類はワインのみ、週1回までにする。

 米国で2015年に公表された医学研究によると、認知症でない58歳から98歳の923人のうち144人が、平均4・5年の間にアルツハイマー病を発症しました。発症者の割合が最も高かったのは「マインド食」15項目中、できていたのが7つ未満の方でした。7~8つの方の発症割合は、7つ未満の方の約3分の2、9つ以上できた方では発症割合は半分以下に低下していました。

 アルツハイマー病を含むすべての認知症の予防に大切なことは、高血圧・脂質異常症・糖尿病などの生活習慣病の予防です。すでに生活習慣病の方は治療が必要です。「マインド食」は生活習慣病の予防に有効な「地中海食」や「DASH食」とも共通する部分が多いので、できるところから試してみてはいかがでしょうか?

川妻由和、琉球大学病院 県地域医療支援センター、救急科

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