高血圧対策、まずは測定から

高血圧対策、まずは測定から

2023年11月08日公開

65歳未満の死因、男女とも高血圧関連が1位

 生活習慣病の増加が、沖縄県の働き盛り世代の大きな健康課題となっています。生活習慣病対策をおろそかにしていると、脳卒中、心筋梗塞、腎不全、がんなどの大きな病気を起こすリスクが高くなります。

 沖縄労働局は、県内の事業所で実施された健康診断の結果を分析し、その結果を全国と比較しています。それによると、2022年の健診結果で何らかの異常があった有所見者の割合は72・1%でした。この値は全国平均の58・3%を13・8ポイントも上回っています。沖縄は12年連続で全国最下位です。

 さらに、全国と沖縄の有所見率の差は拡大傾向にあります。項目別の有所見率の推移を見ると、「血中脂質」が最も高く、次いで「血圧」「肝機能」の順でした。

 この現状から脱却するには、何をどうすればよいでしょうか。沖縄の働き盛り世代の死亡原因を明らかにすることは、働き盛り世代の健康改善の対策を立てる上で重要です。

 県医師会は「働き盛り世代の健康づくり」支援を目的に、65歳未満健康・死亡率改善プロジェクトを展開しています。沖縄の働き盛り世代の死亡原因を明らかにするために、このプロジェクトで健診データを分析しました。

 その結果、65歳未満(30~64歳)の死亡原因の第1位は、男女共に高血圧関連疾患であることが明らかになりました。特に、脳出血を起こした患者の高血圧の有病率が全国平均を上回っていました。脳出血の最大の原因は高血圧です。血圧対策は沖縄県の働き盛り世代の健康づくりにとって極めて重要です。

 まずはご自分の血圧を測ることから始めませんか? 健診・医療機関で測定できますし、薬局や地域公民館、ご家庭でも血圧測定できます。実は、身の回りにその機会は結構あります。

 県民の健やかな健康づくりのためには、血圧対策から始めていく必要があることを、お分かりいただけたと思います。沖縄県の課題克服に向け、みんなで血圧対策から始めていきましょう!

崎間敦 琉球大グローバル教育支援機構保健管理部門(西原町)

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