胃食道逆流症で胸やけ

胃食道逆流症で胸やけ

2023年09月28日公開

肥満や喫煙などが誘因 睡眠障害やぜんそくの症状も

 胃食道逆流症とは、胃酸の食道への逆流によっての胸やけ(みぞおちの上や胸が焼けるような感じや痛み)、呑酸(酸っぱい液体が上がってくる感じ)といった症状や、合併症を引き起こす疾患の総称です。英語表記の頭文字を取ってGERD(ガード)と呼ばれています。

 GERDは、胃カメラで食道に炎症(びらん)がある逆流性食道炎と、食道に炎症はないものの症状がみられるNERD(ナード)に分けられます。GERDのうち、逆流性食道炎は40%、NERDは60%程度とされ、症状があるにもかかわらず胃カメラで食道に炎症がないNERDの方が多いと言われています。GERDは胸やけ・呑酸といった症状以外に、胸痛・せき・ぜんそく・喉の症状・睡眠障害がみられることもあります。

 食生活の欧米化、高齢化、胃酸分泌の増加、ヘリコバクターピロリ感染率の低下(除菌療法の普及)などにより、GERDは近年、増加傾向にあります。現在、日本では成人の10~20%程度がGERDと言われています。県内の有病率は不明ですが、逆流性食道炎に関しては沖縄消化器内視鏡会の調査で、胃カメラを受けた方の中で逆流性食道炎を認めた割合は、2000年5・3%、02年7・5%、12年12・6%と増加傾向にあります。

 誘因として肥満や過食、食事内容(脂肪食・甘食・かんきつ系等の摂取)、喫煙、就寝2時間以内の遅い夕食などがあり、減量、食生活改善、禁煙、遅い夕食の回避、就寝時の頭位挙上など生活習慣改善が重要です。

 胃酸を抑える薬は有用で、効果的な内服薬があります。ただ、食道炎の程度や症状によって内服薬の投与量や期間の調整、ほかの内服薬への変更や併用が必要な場合があります。NERDの中には胃酸逆流の関与が少ない方が含まれ、内服治療に抵抗する場合もあり、胃酸逆流の程度をみる検査が必要な場合もあります。

 GERD症状でお困りの方は、一度医療機関を受診されることをお勧めします。

仲本学 ハートライフ病院消化器内科(中城村)

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