ピーナツアレルギー 沖縄で多い可能性

ピーナツアレルギー 沖縄で多い可能性

2023年07月27日公開

ジーマーミ豆腐でも 周知不足や誤解も

 突然ですが、ピーナツはお好きですか? 琉球王朝時代から親しまれている食材で、ピーナツを使用した料理や製品は県民の身近にあります。

 ピーナツアレルギーは症状が強く出てしまうという印象がある方は多いかと思います。日本における食物アレルギー、アナフィラキシーショックの原因となる食物としてピーナツは、第5位という結果もあります。

 日々の診療で、県内ではピーナツによるアレルギー症状で受診する患者さんが、全国よりも多いのではないかという印象を持っていました。そこで2017年から21年度に食物アレルギー症状で当院を受診した患者さんの原因食物を調査したところ、ピーナツは第1位でした。全体のおよそ4分の1を占め、沖縄は全国と比べ、ピーナツアレルギーが多い可能性が示唆されました。

 また、ピーナツアレルギー症状の原因となった食品は、ジーマーミ豆腐が最も多く、お菓子や料理が続きました。受診した患者さんの中には観光客の方も多くおり、観光の方に限って見ると、食物アレルギーの原因食物の第1位はピーナツで、さらに注目すべき点は、原因食品が皆さんジーマーミ豆腐だったことです。

 数年前から、観光客に対して「ジーマーミ=ピーナツ」と注意喚起されていますが、まだまだ周知が十分でないことが分かりました。

 また、ジーマーミ豆腐を食べると、ピーナツアレルギーになると誤解する人がいそうですが、そのようなことはありません。「アレルギーが怖いので、子どもにはピーナツを食べさせない」という話も聞きますが、食べるのを遅らせればピーナツアレルギーにならないということではありません。

 お子さんの体調のいい平日の日中に、ごく少量から食べさせてみて、確認することが大切です。症状が出た場合は、すぐに医療機関を受診してください。湿疹や皮膚炎があるお子さんや、すでにアレルギーがある場合は、病院で事前によく相談してください。

宮城俊雅 中頭病院小児科(沖縄市)

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