50歳以上の女性4人に1人が骨粗しょう症 なぜ起こりやすの?

50歳以上の女性4人に1人が骨粗しょう症 なぜ起こりやすの?

2023年06月22日公開

 骨粗しょう症とは骨密度が低下し、骨がスカスカになってしまう病気のことです。尻もちや重い物を持つなどささいなことで骨折しやすくなり、脊椎圧迫骨折(背骨の骨折)や大腿(だいたい)骨近位部骨折(足の付け根の骨折)が代表的な疾患です。

 骨粗しょう症は高齢者の病気と思われがちですが、女性の場合は50代からそのリスクが上がり、50歳以上の女性では4人に1人が骨粗しょう症ともいわれています。なぜ女性に起こりやすいのでしょうか? 女性ホルモンのエストロゲンが骨代謝と深く関係しているからです。

 私たちの体の中では毎日、古い骨が壊され(骨吸収)、新しい骨が作られています(骨形成)。これを骨代謝といい、若い頃は骨吸収・骨形成のバランスが良いため、骨強度が保たれています。女性の骨量は成長期に増加し30歳頃にピークを迎え、その後は低下します。エストロゲンには骨吸収を抑える作用があるため、閉経によってエストロゲンの分泌が急激に減ると、骨吸収の働きが強くなり骨がもろくなってしまうのです。

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 生活習慣の改善で、ある程度予防することができます。カルシウムは乳製品から効率よく取ることができ、カルシウムの吸収を助けるビタミンDはサケやキノコに多く含まれています。

 適度な運動も重要です。骨に重力負荷が加わるようなウオーキングや筋力トレーニングが効果的で、適度な刺激を与えることで骨量が増え、骨が強くなります。日々の食事と運動によってコツコツと「骨貯金」され、骨折の予防につながります。

 高齢女性で体をひねっただけで腰椎圧迫骨折を起こしたという方もいます。骨粗しょう症で最初に起こる骨折は橈骨(とうこつ)遠位端骨折(手首の骨折)と言われており、日々の診療でも圧倒的に女性に多い骨折です。

 骨密度検査で20~40代平均値の70%以下になると、骨粗しょう症と診断しています。未来の骨折を防ぐために、まずは自分の骨の状態を知ることから始めてみませんか? 気になる方は骨密度検査を受けてみることをお勧めします。

知念修子 大浜第一病院整形外科(那覇市)

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