長友選手も装着した血糖値センサー

長友選手も装着した血糖値センサー

2022年10月27日公開

腕に付けてスマホで管理 小まめに把握して改善へ

 透析医療に従事しているため、糖尿病から透析導入となる患者さんに日々接しています。糖尿病の方もそうでない方も、自分の血糖変動を知る便利なツールがあるので、紹介します。

 「間欠的血糖モニターフリースタイルリブレ(アボット社)」は、センサーを腕に装着固定して小型の携帯リーダーにかざすと、その都度、血糖値(正確には皮下間質における血糖値)が表示されます。使用者自ら、さかのぼって血糖の動きを把握することができます。

 直接血液中の血糖を測定する訳ではないので、正確な血糖値とは若干、差があります。最初に実際に血中血糖を測定して、自身の程度を把握した上で使用する必要があります。

 自分の血糖がどのような食事でどのくらい、どのように動くかがチャートで可視化されるため、1日の血糖の動きと食事によるパターンを把握することができます。

 日本内科学会誌2021年3月号で、リーダーをセンサーにかざしてスキャンする回数が多いほど血糖改善効果が高いとされ、1型糖尿病患者を対象に6か月使用した試験では、低血糖のリスクを軽減し良好な血糖管理に役立ったとの論文などが報告されました。

 センサーを腕に装着した海外の糖尿病のアスリートの紹介をテレビで見ましたが、装着したまま運動も可能でした。サッカーの長友佑都選手は糖尿病の患者ではありませんが、19年に刊行した「ファットアダプト食事法」に関する著書で、体重を落とさないレベルで、血糖値の乱高下が起こらない範囲の最適な糖質量を調べるためにリブレを2週間装着したと書いています。食後血糖と、血糖値の推移が把握できたといいます。

 アボット社によると、21年3月からはスマートフォンのアプリを用いた血糖表示、チャート化、データ蓄積が可能となっているようです。インスリン使用の患者さんですと、保険の範囲内で収まり、別途の支払いは必要ありません。関心のある方は医療機関や糖尿病専門医にお問い合わせください。

桑江紀子 与那原中央病院腎臓内科 透析センター(与那原町)

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