年々増える膵臓がん 体の奥で発見しにくい病気 早期診断や治療に強力な味方「EUS」

年々増える膵臓がん 体の奥で発見しにくい病気 早期診断や治療に強力な味方「EUS」

2026年07月09日公開

 膵臓(すいぞう)がんなどの病気を早期に発見するために、「超音波内視鏡(EUS)」という検査が注目されています。

 内視鏡の先に超音波装置を備えており、食道、胃、十二指腸、直腸などの消化管の内側から臓器を観察する検査です。

 通常の腹部超音波では体の外から臓器を見ますが、EUSは臓器のすぐ近くから観察できるため、より高い精度で病変を確認できることが大きな特徴です。通常の超音波では見えにくい小さな腫瘍を描出できる可能性があり、早期診断に大きく役立っています。

 膵臓や胆管は体の奥に位置し、がんが見つかったときにはすでに進行している場合も珍しくありません。EUSはこうした「発見しにくい臓器」を高精度に観察できる点が最大の強みです。数ミリほどの小さな病変も見つけることができ、治療方針の決定に欠かせない検査として広まってきています。

 さらにEUSは「診断」だけではなく「治療」でも活躍しています。超音波を見ながら病変に針を刺して細胞を採取するEUS-FNA(穿刺(せんし)吸引法)では、膵臓やリンパ節などの病気の確定診断が可能です。

 また、閉塞(へいそく)した胆管や胆嚢(たんのう)にステントを留置して黄疸(おうだん)・炎症を改善させる手技(EUS下胆管・胆嚢ドレナージ)や、体の奥にできた膿(うみ)を胃や十二指腸、直腸から穿刺して排出する治療(EUS下膿瘍(のうよう)ドレナージ)なども登場しています。

 これらは患者さんの体への負担が比較的小さく、入院期間を短縮できるなどの利点があります。

 検査や治療と聞くと「痛そう」「怖い」という印象を持つ方もいるかもしれません。しかし多くの場合、鎮静剤を使用するため、眠ったような状態で受けられます。検査時間は30分程度で、大きな苦痛を伴うことはほとんどありません。

 膵臓がんは年々増えています。おなかの不調が続くとき、あるいは健康診断で膵臓に異常を指摘された場合に、EUSは強力な味方になり得ます。

 早期発見は治療の選択肢を広げ、生活の質を守ることにつながります。気になる症状は、かかりつけ医や専門医に相談を。

永村良二 沖縄協同病院消化器内科(那覇市)

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