全国的に増える喉のがん 中咽頭がん予防にHPVワクチンが有効

全国的に増える喉のがん 中咽頭がん予防にHPVワクチンが有効

2026年07月24日公開

男性も任意接種が可能

 喉のがん=咽頭がんは全国的に増加しており、沖縄県でも増えています。喉は、鼻の奥の上咽頭、口の奥の中咽頭、喉頭の後ろの下咽頭に分類できます。咽頭がんの症状は、喉の違和感、しみる感じ、飲み込みづらさ、首のしこりなどです。

 がんの完全な予測は困難ですが、生活習慣や環境次第で、特定のウイルス感染を予防し発症しにくくすることはできます。

 咽頭がんのなかでも多いのは中咽頭がん、下咽頭がんです。これまで、その原因は主に喫煙、飲酒といわれてきました。

 しかし近年、中咽頭がんにヒトパピローマウイルス(HPV)が関与していることが明らかになってきました。このウイルスが原因であるHPV関連の中咽頭がんが増加しています。

 中咽頭は、扁桃(へんとう)や舌の奥、軟口蓋(なんこうがい)などからなり、飲み込みや呼吸に重要な部分です。ここががんになると、これらの働きに支障を来し、手術や放射線治療で治癒しても後遺症となる場合があります。

 HPV関連の中咽頭がんの予防にはワクチンが有効です。HPVワクチンは、女性に特有な子宮頸(けい)がんの予防だけでなく、実は中咽頭がんにも予防効果があります。HPVワクチンは、日本では女性への定期接種が定められていますが、男性でも9歳以上で任意接種が可能です。

 欧米では2000年代から男女ともにHPVワクチン接種が行われています。イギリス、カナダでは男女ともに定期集団接種が行われており、男女とも接種率は約80%です。米国は男女とも約60%の接種率で、このまま接種を続ければ2100年には中咽頭がんを約半数に減少できるとの予測もあります。

 日本では男性のHPVワクチン接種は有償ですが、東京都などワクチンの助成を行う自治体が増えています。接種時期は、男性も女性同様に若年者での接種が有効です。男性がHPVワクチンを接種することで、女性の子宮頸がんも減少することが期待できます。適齢の女性は積極的にHPVワクチンを接種することをお勧めします。男性も興味がある方は医療機関への受診をお勧めします。

須藤敏 県立中部病院耳鼻咽喉科(うるま市)

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