自覚症状ない“サイレントキラー”の大動脈瘤 突然死を防ぐ血圧管理

自覚症状ない“サイレントキラー”の大動脈瘤 突然死を防ぐ血圧管理

2026年10月15日公開

 大動脈瘤(りゅう)の多くは、破裂するまで症状がありません。そのため「静かな病気(サイレントキラー)」とも呼ばれています。

 大動脈瘤は、全身に血液を送る最も太い血管「大動脈」がこぶのように膨らむ病気です。進行しても自覚症状がほとんどない一方で、ひとたび破裂すると大量出血を起こし、命に関わる危険な病気です。

 特に高齢の方、高血圧、喫煙歴、動脈硬化を指摘されたことがある方は注意が必要です。近年は生活習慣病の増加に伴い、大動脈瘤の患者さんも増えています。一方、CT検査や超音波検査など画像診断技術の進歩により、破裂前に発見できるケースも増えてきました。健康診断や他の病気の検査中に偶然見つかることも少なくありません。

 家庭で完全に診断することはできませんが、「急な胸や背中、おなかの強い痛み」「おなかの拍動を感じる」「足の冷えやしびれ」などは重要なサインになり得ます。また、日頃から血圧を測定し、高血圧を放置しないことが大切です。禁煙も極めて重要で、喫煙は大動脈瘤の発生や拡大、破裂の危険性を高めることが知られています。

 最近では、腹部超音波検査によって腹部大動脈瘤を比較的簡便に発見できるようになりました。検査は体への負担が少なく、短時間で行うことができます。特に高齢男性や喫煙歴のある方は、一度検査を受けることをお勧めします。症状がないうちに受診して見つけることが重要です。

 治療法も進歩しています。現在では脚の付け根からカテーテルを用いて人工血管を挿入する「ステントグラフト治療」という低侵襲治療が広く行われています。体への負担が少なく、高齢の方でも治療を受けられる可能性が広がっています。

 大動脈瘤は破裂してからではなく、破裂する前に見つけることが最も重要です。突然死を防ぐためには、日頃の血圧管理や禁煙とともに、必要に応じて検査を受けることが大切です。生活習慣病のある方や高齢の方は、症状がなくても一度、医療機関に相談してみてください。

大石淳実 牧港中央病院(浦添市)

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