沖縄に多い脳出血

沖縄に多い脳出血

2023年04月14日公開

働き盛りの男性に目立つ 予防のために注意すべきこと

 脳卒中には血管が詰まるタイプの「脳梗塞」と、破れるタイプの「脳出血」「くも膜下出血」があります。脳卒中になると脳に障害が起こり、手足の運動まひや、ろれつの回りにくさなどの症状が出ます。日本では死因の上位を占めます。

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 脳卒中の中でも、沖縄県では全国に比べて脳出血を発症することが多く、特に50~60代の働き盛り世代の男性で目立ちます。脳卒中の危険因子となるのは、主に動脈硬化につながる病気や生活習慣です。具体的には高血圧や糖尿病、脂質異常、肥満、喫煙、過度の飲酒などが挙げられます。

 脳出血はその中でも特に高血圧の影響が大きいです。高血圧は自覚症状がないことが多いため放置しがちですが、脳出血を起こしてしまった場合、死に至らなくても重篤な障害が残ってしまうことも多いです。

 このため、健診や人間ドックをしっかり受けて、高血圧の指摘を受けたら、かかりつけ医を見つけて治療していくことが重要です。家庭でも血圧を正しく測り、かかりつけ医とよく相談しながら治療を続けていきます。

 飲み薬による血圧の治療だけでなく、日常生活でも注意が必要です。塩分を取り過ぎない食生活を意識してください。薄味を心がけ、食卓塩やしょうゆを使い過ぎないことです。酢やレモン、こしょうなどを使って、工夫して味付けしましょう。燻製(くんせい)など塩分の多い加工食品を控え、麺類の汁は飲み干さないようにすることもポイントです。

 また、飲酒量が増えるほど脳出血の危険性は上昇し、高血圧を合併するとさらに高くなるため、節酒も重要です。1日の飲酒量の目安は、ビールなら中瓶1本(500ミリリットル)です。

 県内でも特に、脳出血による死亡率が高い地域があることも分かっています。脳出血を予防するために、個人では高血圧対策や日常生活での減塩、節酒を心がけましょう。地域でも原因の究明や発症予防対策に取り組んでいく必要があります。

崎間洋邦 琉球大学病院第三内科(西原町)

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