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軽度認知障害 重要な「日々の暮らし方」
軽度認知障害 重要な「日々の暮らし方」
2026年06月24日 公開
MCI(軽度認知障害)は、認知機能が同年代の人と比べてやや低下しているものの、買い物や料理などの日常生活には大きな支障がない状態を指します。2012年には国内で約四百万人と推計されており、『認知症診療ガイドライン2017』によると、1年で5~15%が認知症に進行し、一方で16~41%が正常に回復したとされています。
原因はさまざまで、アルツハイマー病、血管性、レビー小体病の順で多いと考えられています。現在、アルツハイマー病では抗アミロイドβ抗体薬の投与が始まっていますが、完全に進行を止める根本的な治療法はまだありません。そのため、薬物療法だけでなく非薬物的介入が非常に重要になってきます。
ここで重要になるのが「日々の暮らし方」です。『Lancet』誌では、認知症のリスク因子がいくつか提言されています。なかでも中年期の難聴、うつ、糖尿病、身体的活動不足、喫煙、高血圧、肥満、過度のアルコール摂取は発症リスクを高めることが知られています。日常的にウオーキングなどの有酸素運動を続けること、過度な飲酒を控えバランスの取れた食事を意識すること、さらには規則正しい睡眠と社会的交流を保つことが重要となります。
40代の筆者が子どもの頃、沖縄県は「長寿県」として全国に知られていました。しかし近年は、食文化の欧米化や運動不足の影響で糖尿病や肥満が増え、長寿県の地位は失われつつあります。これらは認知症発症の重要なリスク因子でもあります。中年期から生活習慣を見直すことは、認知症予防だけでなく、健康長寿を取り戻すうえでも欠かせません。
日常のちょっとした工夫が、生活習慣の改善につながることもあります。筆者の勤務先は11階にありますが、あえてエレベーターを使わず階段を利用することで、運動不足の解消とインフレに苦しむ病院の経費を少しでも節約できるように心がけています。
もの忘れが気になった際は、早めに医療機関へ相談することが大切です。かかりつけ医や専門医のもとで問診や必要な検査を受けることで、MCIや認知症を早期に発見できる可能性があります。
新里輔鷹 琉球大学病院 精神科(宜野湾市)
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