飛蚊症 視界に現れる糸くずや蚊

飛蚊症 視界に現れる糸くずや蚊

2026年05月15日 公開

 視界の中に黒い点や糸くず、蚊のような影が飛んで見えたことはないでしょうか? 受診した患者さんから「思わず手で払った」というお話をよく聞きます。このような症状を「飛蚊症(ひぶんしょう)」と呼びます。

 飛んでいる蚊のように見えることから付けられた症状だと思いますが、実際は糸くず状、カエルの卵状、ごま状、煙状など様々な形があります。白い壁や青空を見たときに特に気づきやすく、誰にでも起こり得る身近な症状です。

 眼球の中にあるゼリー状の組織「硝子体(しょうしたい)」が加齢や近視によって液状化して、網膜面から外れる現象があります。網膜面に接していた硝子体は濁りがあるため、網膜面から外れるとそれが小さな影を網膜に映し出し、糸くずや蚊のように見えます。これが飛蚊症の正体で、病気ではなく生理的な現象です。

 しかし、飛蚊症のすべてが安心できるわけではありません。特に「飛蚊症の数が急に増えた」「稲妻のような光が走る(光視症)」「視野の一部が黒く欠ける」といった症状を伴う場合は注意が必要です。硝子体が網膜面から外れる際に、網膜に裂け目が生じたり、出血を生じている場合があるからです。さらに網膜の裂け目から網膜剥離を起こすこともあります。このような場合、レーザー治療や手術が必要になります。網膜剥離は放置すると視力を大きく損なう可能性があり、早期発見と早期治療が何よりも大切です。詳しく検査するためには、瞳孔を広げる散瞳検査が必要です。散瞳検査後、瞳孔が元の状態に戻るまで4、5時間かかり、その間はまぶしくてピントがぼやけますので自動車やバイクの運転は危険です。公共交通機関やご家族の送迎などを利用して眼科を受診してください。

 全国的に近視の若年化が問題視されていますが、強度近視の方は硝子体の液状化や網膜の異常が起こりやすい傾向にあります。多くの場合は生理的な飛蚊症ですが、目の病気が隠れている場合もありますので、大丈夫と自己判断してしまわずに、もし視界の異変を感じたら、まずは眼科で詳しく調べることが安心への第一歩です。

山内遵秀 やまうち眼科クリニック 眼科(那覇市)

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