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脳卒中 「時は脳なり」迅速に行動を
脳卒中 「時は脳なり」迅速に行動を
2026年01月28日 公開
ある日の夕食時、Aさんは突然倒れました。顔がゆがみ、右半身は動きません。言葉が出ず、視線が一方に偏り、脈は不規則でした。居合わせたご家族は迷わず救急車を呼びました。
救急隊からの連絡で、私たちは病院で到着前から受け入れ態勢を整えます。患者さんが到着するとすぐに検査を行い、ご家族から病歴を確認します。画像検査の結果、脳を栄養する太い血管(主幹動脈)が詰まっていることがわかりました。一刻を争う事態です。
私たちは直ちにカテーテル治療を開始し、発症から3時間で再開通に成功しました。Aさんは言葉が出始め、手足も少しずつ動き始めます。翌日には歩いて話せるようになり、1週間のリハビリを経て、元の生活に戻ることができました。
主幹動脈は、脳の広い範囲に血液を送る重要な血管です。この血管が詰まると、言語や運動、認知といった広範囲の機能が失われます。閉塞(へいそく)が長引けば、脳細胞は傷つき、脳梗塞となり、重い後遺症が残り、命に関わることもあります。海の中で息ができないのと同じです。まさに時間との勝負なのです。
治療による再開通が1時間遅れるごとに、元の生活に戻れる可能性が約2割も低下すると言われています。つまり、再開通が早ければ早いほど、海の中でじっと耐えている脳細胞を救い、回復の可能性を高めることができるのです。私たち医療者は「Time is brain(時は脳なり)」という合言葉の下、一刻も早い再開通を目指し、チーム全体で診療に取り組んでいます。
しかし、最初の行動を起こせるのは、皆さんご自身とご家族です。顔の片側が動かない、言葉が出ない、手足に力が入らない――そんな症状に気づいたら、ためらわず救急車を呼んでください。毎年10月は「脳卒中月間」として、啓発活動が広く行われています。脳卒中に関する信頼できる情報を提供するホームページもありますので、症状の見分け方や予防法、発症時の行動について、ぜひご家族で確認してみてください。この病気は時間との勝負です。正しい知識と迅速な行動で、あなたや大切な人の命と生活を守りましょう。
平直記 琉球大学病院 脳神経外科(宜野湾市)
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