ホクロ 良性、悪性の診断、皮膚科で

ホクロ 良性、悪性の診断、皮膚科で

2026年01月15日 公開

 一般的に嫌われ者になりがちなホクロですが、私はホクロが大好きです。お利口さんホクロ、悪党のようなホクロ。色、形、膨らみ、変化、成長するホクロ…あんなホクロやこんなホクロ。奥の深いホクロ。つまるところホクロは良性ホクロ、ホクロのような皮膚がんに分けられ、がんを見つけた時には診断冥利(みょうり)に尽きるのです。

 ちまたで耳にするホクロとは医学的には良性の母斑細胞母斑(色素性母斑)と呼ばれます。しかし、クリニックにホクロを診て欲しいと来院される患者さまの多くは、この母斑細胞母斑であることはむしろ少なく、アクロコルドン、スキンタッグ、老斑、肝斑、雀卵斑(そばかす)、脂漏性角化症、基底細胞癌、光線角化症、有棘細胞癌、メラノーマ(悪性黒色腫)、はたまた、ウイルス性のイボ(尋常性疣贅や扁平疣贅、伝染性軟属腫)や血腫、異物(トゲ)などなど、他の疾患であることがほとんどです。

 皮膚科専門医は必要がある場合、このホクロをダーモスコープという特殊な拡大鏡で診断します。このダーモスコープではホクロの皮膚表面の観察、また表面反射を抑制し真皮浅層レベルまでホクロの状態変化を観察することができます。

 当院ではダーモスコピー検査でホクロのような皮膚がんを疑った場合、局所麻酔後に米粒ほどホクロを切り取り、病理組織学的検査を行い採取された組織から作った標本を元に病理医に診断してもらいます。

 クリニックを受診され、ホクロを心配される患者さまのほとんどは良性ホクロですが、一定数の患者さまで悪いホクロを経験します。一般的に悪いホクロは周囲皮膚との境界が不明瞭で増大する傾向があり、急速に遠隔転移する種類のホクロもあるので油断は禁物です。まず信頼できる皮膚科クリニックを受診し、この皮膚科特有の検査、診断が必要です。お利口さんホクロなら良性ですので未治療でも構いませんが、悪いホクロでしたら転移検索、その結果、手術療法や放射線治療、抗がん剤や免疫療法が必要になるかもしれません。

伊藤誠 沖縄皮膚科医院八重瀬クリニック 皮膚科(八重瀬町)

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