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コレステロールと脳・心臓の深い関係 「少し高め」でも油断せず
コレステロールと脳・心臓の深い関係 「少し高め」でも油断せず
2025年11月27日 公開
「少し高いだけだから…」と健診結果を引き出しにしまっていませんか? コレステロールの異常は、気づかないうちにじわじわと体に負担をかけていく“静かな変化”です。沖縄県では特に「LDLコレステロール高値」の方が多いにもかかわらず、糖尿病や高血圧と違って受診率が低いのが現状です。
「痛くもかゆくもない」から放置する。これが最大の落とし穴です。自覚症状のないまま血管の壁にコレステロールは少しずつ蓄積され、血管は硬く、細くなっていきます。ある日突然、心臓の血管が詰まれば心筋梗塞、脳の血管なら脳梗塞という形で命取りになるのです。
驚くべきことに、この血管の変化は「頭のさえ」にも直結します。最新研究によれば、コレステロール値の乱れが長期間続くと、脳の細い血管にまで影響が及び、認知機能の低下リスクが約1・5倍に上昇するという結果も。つまり「頭を使う」のに必要な血液の流れにブレーキがかかるのです。
特に沖縄では、30代という若さでも油断できません。県の調査では同年代の約25%が脂質異常の兆候を示しており、「若いから大丈夫」という考えは危険です。コレステロールによる血管ダメージは10年、20年と静かに進行するからこそ、早期対策が効果的なのです。
「でも、食事制限は厳しそう…」と思うかもしれません。確かに食生活の見直しは大切ですが、現代の治療は大きく進化しています。豊富な飲み薬を中心とした治療に加え、難治性の場合には「数ヶ月に1回の注射薬」という治療の選択肢もあります。
コレステロール対策には「3つの基本アプローチ」があります。(1)定期的な検査で数値を把握する(2)適度な運動で「善玉」を増やす(週3回、30分の早歩きが目安)(3)食事では、肉の脂身やバター・ケーキなどの動物性脂肪を控え、青魚やナッツ類、野菜を意識的に取ることです。特に朝食を抜かずにバランスよく食べることが脂質代謝を整えるポイントになります。
健診で「高め」と言われたら、それは体からのSOSサイン。放置せず、まずは専門医に相談してみてください。
城本高志 シーサー通り 内科リハビリクリニック 動脈硬化専門医(那覇市)
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