帯状疱疹 ワクチンで発症97%防ぐ

帯状疱疹 ワクチンで発症97%防ぐ

2025年08月27日 公開

 帯状疱疹(ほうしん)は、水痘(水ぼうそう)や帯状疱疹ウイルスに過去に感染したことのある人が発症する病気です。体内に潜伏していたウイルスが、加齢やストレスなどで免疫力が低下した際に再活性化し、皮膚に痛みを伴う発疹が現れます。特に50歳以上の方に多く見られ、発疹が治った後も強い痛みが続く「帯状疱疹後神経痛」などの後遺症が残ることもあり、生活の質を大きく下げる原因になります。

 以前は、生ワクチンである水痘ワクチンが帯状疱疹の予防に使われてきましたが、免疫力が低下した方には使用が制限される上、高齢になるほど効果が低下するという課題がありました。こうした中、2018年に不活化ワクチン「シングリックス(R)」が登場し、年齢にかかわらず高い予防効果が得られるようになりました。

 シングリックス(R)は、50歳以上の成人を対象にした大規模な臨床試験で、帯状疱疹の発症を約97%防ぐ効果が確認されています。さらに、70歳以上の高齢者でも約90%と高い予防効果が示され、最近の研究では、接種から少なくとも10年間、効果が持続することも明らかになっています。接種後には腕の痛みや発熱などの副反応がみられることがありますが、多くは数日で改善します。

 2025年4月からは、65歳以上の方や一定の基礎疾患がある方を対象に、定期接種として公的な助成が始まりました。自治体によって助成の内容は異なりますが、費用負担が軽くなり、予防に取り組みやすくなっています。接種が広がることで、帯状疱疹の発症や重症化が抑えられ、つらい痛みや合併症に悩まされる方が減ることが期待されています。

 帯状疱疹は一度かかるとつらい後遺症が残ることもある病気ですが、予防できる手段がある今だからこそ、自分自身の健康を守る選択肢として、ワクチン接種を検討してみてはいかがでしょうか。気になる方は、お近くの医療機関に相談するとともに、お住まいの自治体の助成制度も確認してみてください。

長田健太郎 県立南部医療センター・こども医療センター 総合診療科(南風原町)

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