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お酒と健康と沖縄 飲み方を正しく知ろう
お酒と健康と沖縄 飲み方を正しく知ろう
2025年07月10日 公開
お酒は多くの人にとって身近な存在です。沖縄県は特にお酒を飲む習慣が強く、アルコールの消費量が全国よりも多い地域です。そのため、アルコール使用障害(アルコール依存症)になる人も多く、肝臓の病気(肝硬変や肝がん)になる人も全国平均より多くなっています。また、飲酒運転の事故も多く、大きな社会問題になっています。
アルコール使用障害とは、自分で飲むお酒の量や時間をコントロールできなくなる病気です。意志が弱いからではありません。お酒を飲み続けることで脳が変化し、自分の意志だけではお酒を止められなくなるのです。お酒をやめようとすると手が震えたり、吐き気や汗が出たりする「離脱症状(禁断症状)」が現れて、さらにお酒をやめることが難しくなります。
アルコール使用障害の治療は、お酒を完全にやめる「断酒」が基本です。薬を使ってお酒が飲めないようにしたり、飲みたい気持ちを抑えたりする治療(薬物療法)と、自分の考えや行動を見直して飲酒を止める心理的な治療(認知行動療法や動機づけ面接法)を一緒に行います。一人でお酒をやめるのが難しい人は入院して治療を受けます。入院中は離脱症状の管理や、規則正しい生活、食事や健康面でのサポートを受けます。さらに、ARP(アルコールリハビリテーションプログラム)という医療スタッフと一緒に取り組む集団療法を行い、退院後もお酒を飲まないように支援を受けます。
沖縄県では、断酒会やAA(アルコホーリクス・アノニマス)など、お酒の問題を抱える人同士が支え合う活動が盛んです。また家族向けのセミナーや勉強会も行われています。
健康的な飲酒量として、厚生労働省は1日のアルコール量を男性は約20グラム、女性は約10グラムまでにすることを勧めています。これはビールなら男性は500ミリリットル、女性は250ミリリットル程度、泡盛なら男性は0・4合、女性は0・2合くらいです。
お酒と健康について正しく知り、地域全体で健康的な飲み方を広めていくことが沖縄県の課題です。
雨宮光太郎 南山病院 精神科(糸満市)
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