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回復期リハビリ 患者の改善へ多職種連携
回復期リハビリ 患者の改善へ多職種連携
2025年05月28日 公開
脳卒中や心筋梗塞、骨折など急に病気になって、救急車で運ばれたとしましょう。まず患者を受け入れるのは、救命治療を担当する急性期病院です。毎日たくさんの救急患者が運ばれてきて現場は大忙しです。
さて、一次治療を終えて病状が安定した段階で、自宅退院や社会復帰に向けた次の治療の段階、すなわち亜急性期入ります。急性期病院の後方にはいくつもの亜急性期病院が連携しており、ここで行われる治療の一つが回復期リハビリテーションになります。病棟には、医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師、介護士、栄養士、ソーシャルワーカーなど多職種が連携して患者の機能回復を目指しています。
例えば、脳卒中になると片まひと言って左右どちらかの手足が動かせなくなったり、うまく話したり食べることができなくなったりします。このまま何もしないとまひがずっと残って日常生活が不自由になります。そこで、早期から訓練を行って機能を改善させるのが回復期リハビリテーションの目的になります。リハビリ療法士により毎日機能訓練が行われ、病室でもできるだけ自立した生活が送れるように看護師や介護士がサポートしています。
また、病気の原因となった食生活を改善するために専属の栄養士が栄養管理や栄養指導を行っています。医師は多職種チームのリーダーとして全体を統制し、リハビリを阻害する因子、例えば痛みや基礎疾患のコントロールを行い、リハビリが安全かつ円滑に進むようにサポートしています。
これらのリハビリにより、運動能力と認知能力の改善度をFIM(Functional Independence Measure)という客観的な物差しで評価を行い、患者さんやご家族などと改善状況や今後の見通しなどを共有しながら、ほとんどの患者さんは3カ月以内、脳卒中の場合は5カ月以内に自宅退院や社会復帰をしていきます。退院時に「皆さんのおかげです、ありがとうございました」と笑顔で声をかけてくださるのが、私たちの何よりもの喜びであり、やりがいです。
竹田真一 沖縄寿光会与勝病院 内科(うるま市)
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