パーキンソン病 薬・リハビリでQOL改善
パーキンソン病 薬・リハビリでQOL改善
2025年03月26日 公開
パーキンソン病の主な症状は(1)テレビを観ている時などリラックスしている安静時に片方の手足が勝手に震える(2)筋肉が固くなって突っ張ったような重だるさや鈍痛を感じて手足が動かし難くなる(3)動作がゆっくりと遅くなる(4)前のめりに歩く、歩いているうちに徐々に小走りになる―です。
発症初期は症状が片側(右か左)に強く現われることが多く、便秘・立ちくらみ・睡眠障害などの自律神経障害や意欲低下・鬱(うつ)・幻覚・妄想など精神症状を伴うこともあります。
パーキンソン病は、脳内の「黒質」にあるドパミン分泌神経細胞の数が減少してドパミンが不足することが原因です。ドパミンは脳から全身の筋肉に運動の指令を調節する際に必要な神経伝達物質の一つで、不足すると体がスムーズに動かせなくなります。黒質の神経細胞が減る原因は、加齢に伴ってα―シヌクレインというたんぱく質の異常な凝集が脳内で起こり、長年かけてこれらが蓄積することにより神経細胞が障害され発症するのではないかと考えられています。
そのため高齢になるほど患者さんは増加し、65歳以上の100人に1人は発症すると言われています。40歳以下で発症する場合は遺伝が関与している可能性が高く、遺伝子検査を検討する場合もあります。
根本的な治療法はありませんが、脳内に不足しているドパミンを補充する治療を中心に、さまざまな作用機序の薬が複数あります。運動リハビリテーションと組み合わせて症状を軽減させてQOL(Quality of life 生活の質)を改善できます。
症状が似ていても原因が異なる病気があります。脳血管性・薬剤性・多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症などはパーキンソン病とは異なる病気なので鑑別が重要です。
パーキンソン病の正確な診断のためには、神経学的診察で体の動かしにくさを適切に評価し、頭部MRI・脳血流シンチ・DATスキャン・MIBG心筋シンチなど画像評価を行う必要があります。症状が気になる方は、脳神経内科を受診してご相談下さい。
城戸美和子 沖縄病院 脳神経内科(宜野湾市)
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