中高年の骨折 健康長寿へ骨を大事に

中高年の骨折 健康長寿へ骨を大事に

2025年02月26日 公開

 突然ですが中高年の皆さま、骨を折ったことはありますか? 「あれは骨の折れる仕事だった」という話ではありません。本当の骨折です。なぜ骨折してしまいましたか? 交通事故で? 転落して? それともただ転んだだけで?

 実は、ただ転んだだけで骨が折れてしまうのは、骨が弱くなっている証拠です。特に手首、背骨、大腿(だいたい)骨は骨が弱くなってきた人がよく骨折する部位です。そしてあまり知られていないのが、一度骨折すると、もっと骨折しやすくなってしまうということです。海外のデータですが、骨折を起こした高齢女性は、骨折を起こしたことがない高齢女性に比べて(骨折部位にもよりますが)16倍再骨折しやすいといわれています。

 では骨折しないようにするには、どうしたら良いでしょうか。まずは食事です。骨に良い栄養素はカルシウムとビタミンDです。基礎疾患がある方は取りすぎると身体に害が出ることがあるので、主治医の先生に確認しましょう。次に運動です。自分のできる範囲でいいですが、身体は積極的に動かした方が骨は強くなります。楽しんでできる運動が長く続けられていいですね!

 そして、転ばないように環境整備することも大切です。特に歩きづらさを感じる人は、小さな段差でもつまずくことが多いです。危ない箇所に注意しましょう。そこのマットは滑りやすくなっていませんか? そこは手すりをつけた方がよくありませんか?

 最後に、自分の骨の強さを知りましょう。病院に行って「骨密度」を測れば、自分の骨の強さがわかります。骨密度が低ければ、骨を強くする薬を使用した方が骨折しにくくなります。

 1度骨折してしまった人がまた骨折しないためには、きちんと骨を強くする治療を継続することが大切です。最初の骨折を治療した病院で相談してみましょう。

 骨折してしまうと、痛いし辛いですよね。要支援・要介護となった人の5人に1人は骨折・転倒、関節疾患が原因といわれています。自分の骨を大事にして、健康長寿を目指しましょう!

玉寄美和 友愛医療センター 整形外科(豊見城市)

新着記事


リニューアル前のサイトはこちら