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大腿骨頭壊死症 酒の多量摂取、注意を
大腿骨頭壊死症 酒の多量摂取、注意を
2024年11月27日 公開
みなさん、大腿骨頭壊死症(だいたいこっとうえししょう)という病気をご存じでしょうか。これは、足の付け根にある大腿骨の骨頭が壊死する病気で、骨頭が潰れると激しい痛みにより歩くことが困難になります。国から難病に指定されており、現在のところ壊死を治す有効な治療法がありません。一度発症すると手術が必要になることが多く、非常に厄介な病気です。
この病気にかかりやすい人の特徴として、お酒の多量摂取、ステロイドの使用、喫煙が挙げられます。琉球大学整形外科での手術症例を調べたところ、アルコールと関連のある大腿骨頭壊死症の患者が7割を超えていました。また、国の難病調査でも、沖縄県ではアルコール関連の大腿骨頭壊死症が多いことが報告されています。
ステロイドは病気の治療に必要な場合がありますが、お酒の飲み方については考え直す余地があります。確かに、友人との飲み会でお酒は欠かせませんが、毎日の飲酒や過度の飲酒は健康に悪影響を及ぼします。毎日ビール350ミリリットルを3缶(500ミリリットルだと2缶)飲むと、大腿骨頭壊死症のリスクは10倍に増加します。泡盛の場合、水割りで2合を毎日飲むと同様のリスクがあります。これほどの量を飲むと、肝臓の病気になるリスクも高まります。
さらに、沖縄では2019年からCOVID―19(新型コロナウイルス感染症)が全国で最も猛威をふるいました。観光客が多い沖縄では仕方がない面もありますが、当時、COVID―19の治療にステロイドが使用され、その結果、大腿骨頭壊死症を発症する人もいました。
大腿骨頭壊死症にかかった方々は、痛みのために歩行が困難になり、気軽に外出することもできなくなります。壊死を治す方法がないため、手術を余儀なくされることが多く、患者さんにとっては大きな負担です。
みなさんも、健康を守るためにお酒の量を見直してみませんか? お酒の量を適切に管理し、バランスの取れた食生活や定期的な運動を心がけることで、さまざまな病気のリスクを減らすことができます。自分の健康を第一に考え、健やかな生活を送りましょう。
仲宗根哲 琉球大学病院 整形外科(中頭郡)
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