大腸がん 2次検診、沖縄は最下位

大腸がん 2次検診、沖縄は最下位

2024年08月21日 公開

 大腸は食べ物が通る最後の部分で、主な役割は便の中にある水分を吸収することです。大腸がんは大腸にできる悪性腫瘍で、良性のできもの(ポリープ)ががんになる場合と、正常な腸の壁(粘膜)に直接がんができる場合があります。

 2019年の沖縄県がん登録事業報告によると、沖縄県の大腸がんの罹患(りかん)数は男性では1番目、女性では乳がんに次いで2番目に多いがんとなっています。早い段階では無症状ですが、進行すると症状が出現してきます。

 主な症状は、がんからの出血により便に血が混じったり、がんが大きくなって通り道が狭くなってくると便秘や下痢、腹痛が出てきたりします。このような症状が続くようであれば念のため医療機関を受診していただくことをおすすめします。

 症状がなくても大腸がん検診を受けることで、早期発見につながることがあります。検診は40歳以上で年1回となっています。内容は問診と便潜血(目に見えない血便)検査です。

 国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」によると、大腸がん検診の22年の受診率は全国(40~69歳)では45.9%ですが、沖縄県では38.4%と全国よりかなり低い水準です。また要精査となった方の2次検診受診率は全国では68.95%ですが、沖縄県では58.3%と全国最下位です。コロナ禍では検診の受診率の低下も指摘されており、さらに早期発見が難しくなっている可能性があります。

 受診された場合には血液検査、大腸内視鏡検査、CT検査などを行い、診断がついた場合にはその進み具合によって治療が必要となります。治療は内視鏡治療、手術、薬物治療、放射線治療などがあり、進行度に応じて行われます。

 早い段階で治療ができれば予後が良い傾向にありますが、進んだ状態であっても、現在ではこれらを組み合わせて行うことにより、良い結果を目指した治療を行うことが可能です。検診で指摘があった場合や、気になる症状があれば早めに医療機関で相談してみてはいかがでしょうか。

卸川智文 中頭病院 消化器外科(沖縄市)

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