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1型糖尿病 低血糖時の対応認識を
1型糖尿病 低血糖時の対応認識を
2024年06月05日 公開
1型糖尿病は、血液中の糖分をコントロールするインスリンというホルモンを分泌できなくなってしまう自己免疫疾患です。小児や思春期に多いですが、どの年齢でも起こり、約千人に1人の確率で発症すると推定されています。
発症すると、一生涯インスリンを注射などで補充する治療が必要になります。インスリンを自己注射する患者さんの場合、毎食前と寝る前に1日最低4回の血糖測定と自己注射を行います。おやつを食べる時は、都度追加の注射が必要です。インスリン補充療法は患者さんやご家族にとって、とても負担の大きい治療です。
当然ですが、血糖測定や注射を打つところを周りの人に見られたくはありません。注射のために席を立つことへの抵抗や、治療そのものが面倒で、時間の制約がかかることもあり、適切なタイミングでインスリンを打てずにいる患者さんもいます。乳幼児期に発症する患者さんの場合、注射・血糖測定・低血糖等の対応全てをご家族が担われており、苦労されています。
インスリンは不足すると高血糖になり、多すぎると低血糖になるため、食事内容に応じ、計算して注射します。特に低血糖は命に関わる緊急事態です。初めは冷や汗・手の震え・だるさ等の症状が出現し、重症化すると意識の低下・昏睡(こんすい)等を起こします。重症化しないよう、軽い症状が起こった時点で、補食という糖分を補う緊急用のブドウ糖や食料を摂取して対応します。
1型糖尿病の最も多い発症時期が思春期ということもあり、周りに1型糖尿病を打ち明けられずにいる方もいます。1型糖尿病がどんな疾患か、インスリン注射がどれくらい大変か、そして低血糖という緊急事態やその対応を誰もが認識し、手助けしてもらいやすい社会環境を作ることができれば、そういった患者さんの支えになります。低血糖の時、今より気軽に誰かに助けを求められるかもしれません。もしその場に居合わせたなら、補食の準備の手伝いや、休める場所へ案内をお願いします。また、一緒にいる方が注射を打つ際には、プライバシーへの配慮があるととても助かります。
竹川賢太郎 県立北部病院 小児科(名護市)
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