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歯以外の口のトラブル
歯以外の口のトラブル
2023年01月04日 公開
命の入り口、心の出口
歯科口腔(こうくう)外科という診療科名を見て、歯科はともかく、口腔外科とはなんだ?と疑問に思う人は多いと思います。私自身、医療従事者以外の方へ仕事内容を説明すると、「歯のせいで入院することがあるの?」とよく驚かれます。事実、虫歯をこじらせると筋肉の間に大量に膿がたまって顎が腫れ上がり、入院下に抗菌薬の点滴加療が必要な方がいらっしゃいます。
口腔とは個体が生命維持に必要なエネルギーを得る「命の入り口」であり、かつ、他者とのコミュニケーションをとるための機能を持った「心の出口」です。口腔の機能障害はエネルギー摂取不足による活力低下や、コミュニケーション障害を引き起こす元となります。
口腔外科とはこのような口腔機能障害に対して、外科手術を主体とした治療を提供する診療科です。例えば顎骨(がくこつ)骨折は摂食機能障害、会話障害、審美障害(顔の変形など)を引き起こすので、全身麻酔での手術の適用となり、チタンプレートなどで骨折箇所を固定してかみ合わせを作り直し、顔の変形も回復させるといった具合です。
歯列不正(いわゆる出っ歯や受け口など)も摂食機能障害や会話障害の原因となりえる疾患で、それが骨格由来の顎変形症であるなら歯列矯正に加えて顎矯正手術を行うことで機能回復を図ります。顎変形症で手術を受ける場合、歯列矯正は健康保険の適用となるので主治医とよく相談されることをお勧めします。
口腔がんは口腔機能障害のみならず、生命維持に関わる重大な疾患です。口腔がんそのものや口腔がんの治療による機能障害を最小に抑える最適な手段は早期発見、早期治療です。
口腔がんの大きさの分類では2センチ未満が第1段階、2センチ以上4センチ未満が第2段階、4センチ以上が第3段階、骨や筋肉への食い込み方が強いと第4段階となります。奥歯1本が1センチ程度だと考えると早期対応が重要だと実感できると思います。
口まわりのトラブルについては、お近くの歯科はもちろん、耳鼻科や内科でも相談すると適切に対処していただけます。
又吉亮、南部徳洲会病院
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