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うつ病 回復難しくする併存症や生活リズムの乱れ 治療に新しい選択肢も
うつ病 回復難しくする併存症や生活リズムの乱れ 治療に新しい選択肢も
2026年03月25日公開
うつ病は「心の風邪」と呼ばれることがあります。ただし、この言葉は「特別な人だけの病気ではない」という意味であって、「軽くてすぐに治る」という意味ではありません。実際には、抗うつ薬治療を十分に行っても改善しにくい患者さんが約3割存在すると報告されています。こうしたケースは「治療困難うつ病」と呼ばれ、医療の現場でも課題となっています。
治りにくさの要因は一つではありません。薬の副作用で十分量を使えない、服薬や通院の中断、家庭や職場での強いストレス、経済的困難や孤立などさまざまな事情が影響します。その中でも今回注目するのが、併存症と生活リズムの乱れです。
併存症の一つに神経発達症があります。自閉スペクトラム症や注意欠如多動症などの特性を持つ方は、対人関係のストレスに弱かったり、生活のリズムを整えることが苦手だったりするため、うつ病からの回復が難しくなることがあります。不安症を併存する場合も、改善しにくさが知られています。併存症の有無を主治医と考えていくと、治療の工夫につながります。
もう一つ重要なのが、生活リズムの乱れです。発症後に昼夜逆転や不規則な生活が続くと、うつ病はさらに長引きやすくなります。逆に、毎日の睡眠や食事、活動のリズムを整えることは、誰にでも取り組める「治療の一部」といえます。家族や周囲が支えながら生活を安定させることは、患者さんの回復を大きく助けます。
治療困難うつ病であっても、決して「治らない」という意味ではありません。医学は進歩を続けており、薬物療法に加えて心理療法や脳刺激療法など新しい選択肢も広がっています。早めに専門医と相談し、諦めずに治療を続けること。そして何より、周囲の理解と支えが患者さんに希望を与えます。
日常生活の中で決まった時間に起きる、朝の光を浴びる、誰かと会話を交わすといった小さな工夫は、心の回復を確かなものにする一歩となります。うつ病で苦しんでいる方の症状が少しでも緩和されることを願っています。
座間味優 琉球大学病院精神科神経科(宜野湾市)
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