顔を洗うように、目元を清潔に

顔を洗うように、目元を清潔に

2025年08月27日公開

目の疲れやものもらいなどの要因 眼科医が勧める2つのセルフケア

 目のかゆみや乾きが続く場合、マイボーム腺機能不全(MGD)が原因かもしれません。マイボーム腺は、まぶたの上下の縁にあり、油を分泌する腺で、その出口はまつげの生え際にあります。この腺が詰まったり炎症を起こしたりすると機能が低下し、MGDとなります。

 MGDは目の疲れ、ごろごろ感、目やに、かゆみ、ものもらいの頻発などの不快感を引き起こします。また、マイボーム腺が分泌する油は涙の蒸発を防ぐ役割を果たすため、機能不全により質の悪い油が出るとドライアイになりやすくなります。近年、ドライアイ患者の80%以上にMGDが関与していると言われています。高齢者に多く見られますが、若年層でも増加傾向にあります。

 病院では点眼薬、軟こう、内服薬による治療が行われますが、自宅でのケアも重要です。以下二つの方法を紹介します。

 (1)眼瞼温罨(がんけんおんあん)法…目の周りを温めてマイボーム腺の詰まりを改善します。油は温めると溶けやすくなるため、この原理を利用します。市販の温熱商品や蒸しタオル(ぬらして絞り、500Wの電子レンジで30秒加熱)を使用し、1回5分、1日1~2回行います。蒸しタオルは3分程度で冷めるので、その前に外すとよいでしょう。温めることで腺の油が流れやすくなり、症状の緩和が期待できます。

 (2)眼瞼清拭(せいしき)…まつげの生え際を清潔に保ち、汚れや詰まりを解消します。ぬれた綿棒で優しく拭くか、目に入っても安全なアイシャンプー、市販のコットンや清浄綿を使用します。1日1~2回、毎日継続することが大切です。清潔にすることで炎症が抑えられ、腺の機能改善につながります。

 セルフケアで症状が改善しない、強い不快感がある場合は、眼科を受診しましょう。最近ではアジマイシン点眼など、MGDに効果的な薬も登場しています。しかし、薬物治療中も毎日のケアが欠かせません。顔を洗うように、目元を清潔に保つ習慣を心がけることが重要です。日々の小さなケアが、目の健康を守る鍵となります。

大橋和広 大浜第一病院眼科(那覇市)

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