風邪が10日以上長引く人は喘息かも?
風邪が10日以上長引く人は喘息かも?
2025年04月23日公開
沖縄県民の5%が抱える「気管支が狭くなる病」の正しい知識
喘息(ぜんそく)という病名をよく耳にすることがあると思います。小さいお子さんがゼーゼーした時に「喘息かな」と思ったことがある人もいると思います。
気管支喘息は人口の5%前後いるといわれ、沖縄県の人口が現在140万人余りとすると県内に喘息の方が7万人いる計算になります。皆さんは普段、意識せずに空気中の酸素を鼻や口から吸っていますが、気管支喘息はその酸素の通り道の気管支に好酸球というアレルギーを引き起こす細胞が増えて、気管支が狭くなり、呼吸しづらくなります。歩くと息苦しくなったり、首や胸からゼーゼーという気管支が狭くなった音が聞こえたりする病気です。症状の特徴はせきや、歩くと息切れがして、夜間にせきがひどくて熟睡できないなどがあります。
喘息はアレルギーの病気なので症状が出る原因はいろいろとあります。例えば風邪を代表とするウイルス感染症、雨天や梅雨、台風、冬の乾燥、線香、洗剤、香水、喫煙などで症状が出ることが多いです。季節の変わり目にせきが出たりゼーゼーしたり、風邪をひくといつも回復に10日以上かかって長引きやすい、明け方にせきで起こされるなどは気管支喘息を疑う症状です。このような症状がある場合には、内科や呼吸器内科を受診して気管支喘息かきちんと診断してもらうことが大切です。
診断が付いたら吸入する薬剤が処方されます。薬の中身はアレルギーによる炎症を抑える薬剤と気管支を長時間拡張させる薬剤が混ざっています。吸入薬の種類によって回数や吸い方に特徴があるので、かかりつけの薬局で薬剤師から正しい吸入方法の指導を受け、継続使用し通院することが重要です。女性の場合は妊娠を契機に喘息が出たり悪化したりすることがあります。妊娠期の喘息は胎児のことも考えてしっかり治療しましょう。また、救急室を受診する喘息患者には喫煙者が多く見られます。喘息を安定させるには吸入薬の継続と禁煙は必須の治療です。
気管支喘息を疑う症状に気づいたら適切な診断を受けて治療をしっかり継続しましょう。
喜舎場朝雄 県立中部病院呼吸器内科(うるま市)
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