「寝酒はだめです」と医者が警告する理由
「寝酒はだめです」と医者が警告する理由
2025年03月27日公開
睡眠不足とアルコール消費の深い関係
皆さん、晩酌は好きですか。睡眠はどうですか。
沖縄県はアルコール消費量が多く、2019年度の調査では成人の1カ月当たりの酒類消費量が全国2位でした。また、18年の調査では睡眠時間が5時間未満の割合が高い都道府県ランキングで、男女共にベスト3に入るなど睡眠時間も短い傾向にあります。
データから二つのことが分かります。一つは、沖縄の皆さんはたくさんお酒を飲んでいるということ。二つ目はあまり眠れていないということです。
ここで皆さんに質問です。アルコール摂取量の多さと睡眠時間の短さには関係があると思いますか? 私の答えは「あると思う」です。
不眠で悩まれている方の中には「寝酒はだめです」という言葉を医者から投げかけられた方もいるでしょう。晩酌される方なら経験的に実感されていると思いますが、確かにアルコールには寝入りを良くする作用があります。寝酒した方がよく眠れそうです。でも目が覚めると、いまひとつ眠れなかった感じがしてしまう。なぜでしょう。
アルコールを摂取すると、4~5時間ほどで代謝されます。つまり寝酒をすると、寝入りは良いのですが、アルコールの効果が切れて途中で目が覚めてしまいます。長い目でみると寝酒しない方がよく眠れます。ただ、晩酌が仕事終わりの楽しみだという気持ちも分かります。
そんな皆さんにお薦めしたいのはノンアルコールビールです。その根拠を説明しますね。
ビールにはホップと呼ばれる原料が含まれていて、ノンアルコールビールにも含まれています。ホップには睡眠を促進する効果があります。また、睡眠のリズムを整える効果も期待されます。ノンアルコールビールを寝る前に飲むと、睡眠の質が良くなることを示した論文もあります。ビールのホップを含みつつ、アルコールを含んでいない飲み物、それがノンアルコールビールなのです。
不眠におびえながら晩酌をされている方は、ノンアルコールビールに変えてみませんか?
志磨直 平和病院精神科(うるま市)
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