外反母趾、早期の診断で適切な治療を
外反母趾、早期の診断で適切な治療を
2025年02月26日公開
軽度なら手術なし 変形進行なら手術検討も
外反母(ぼ)趾(し)は、母趾(足の親指)が第2趾の方へ曲がって変形する状態です。この変形によってさまざまな症状や問題が生じる可能性があります。
外反母趾は主に以下の方法で診断します。(1)視診…母趾の外反変形とバニオン(足の親指の付け根「MTP関節」内側の突出)の有無を確認(2)エックス線検査…立位で2枚の単純エックス線写真を撮影し、変形の程度を評価(3)症状の確認…痛みの程度や部位、日常生活への影響を評価。
治療は、症状の程度や変形の進行状況によって異なります。軽度な変形や初期段階の外反母趾の場合、以下の保存的治療が効果的です。(1)適切な靴の選択…爪先がゆったりとした靴を選び、足が前滑りしない構造のものを使用(2)インソールの使用…症状に応じて足の形に合わせたインソールを使用(3)足趾運動…足趾じゃんけん(足の指を開いてグー、チョキ、パー)などの筋力訓練やストレッチ(4)外反母趾装具…変形矯正には大きな効果はありませんが、痛みを軽減する効果があります。
保存的治療で症状が改善しない場合や変形が進行している場合は、手術治療を検討します。変形の程度や痛む部位により、適切な術式を選択します。
一般的な手術としては中足骨を骨切りして変形を矯正し、金属のプレートやスクリューで固定する方法が多く用いられます。必要に応じて、第2~5趾の変形矯正や短縮術を併せて行うこともあります。
手術後のリハビリテーションは術式により異なりますが、一般的に入院期間は2~5日間程度です。歩行については術後にかかとで歩くようなサンダルを使用し、普通の靴が履けるようになるまでに2~3カ月程度かかります。むくみを防ぐため、長時間の座位や歩行を制限することもあります。
外反母趾の治療は、個々の症状や変形の程度に応じて適切な方法を選択することが重要です。早期の対応と適切な治療によって、症状の改善や変形の進行を防ぐことが可能です。
西川正修 友愛医療センター整形外科(豊見城市)
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