脳梗塞や脊髄損傷 急性期病院での治療を脱したら
脳梗塞や脊髄損傷 急性期病院での治療を脱したら
2024年08月14日公開
復帰へチーム医療で回復期リハビリ
回復期リハビリテーションとは、急性期病院での治療を脱しても、医学的・社会的・心理的なサポートが必要な患者に対し、多くの医療専門職がチームを組んで集中的なリハビリテーション治療をすることです。心身共に回復した状態で自宅や社会へ戻っていただくことを目的とし、回復期リハビリテーション病棟がその役割を担います。
入院可能な疾患は決められており、主として脳血管疾患では脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、脳腫瘍、脳炎、重度の脊髄損傷の発症または手術後を含みます。運動器疾患では脊髄損傷、大腿(だいたい)骨、骨盤、脊椎、股関節、膝関節の骨折の発症やその手術後などです。外科手術や肺炎などの治療時の安静によって生ずる廃用症候群(体の不活動状態により生ずる二次的障害)も含まれます。
それぞれの疾患に対しては、在院日数(算定上限日数)が脳血管疾患では150~180日、運動器疾患や廃用症候群では90日と決められ、1日当たりでは最大3時間(運動器疾患の場合は2時間)のリハビリテーションを行うことが認められています。
しかし昨今では目標とする在院日数をより短くし、短期集中でのリハビリテーションを展開していくことも少なくありません。もちろんそれは、リハビリテーションを実施していく中で回復能力が高く、さらに自立度が高い患者が主となります。
回復期リハビリテーション病棟の大きな目的である日常生活活動の向上による寝たきりの防止と家庭復帰に対して、さまざまな医療専門職(医師・看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・管理栄養士・薬剤師・医療ソーシャルワーカー・介護職等)が協同で「チーム医療」を展開します。
チームは患者のリハビリテーションの進捗(しんちょく)に関する会議を必要に応じて開き、家族への病状説明も定期的に行います。入院中から退院後の生活を見据えて社会資源について説明し、活用をアドバイスします。住環境の整備なども、回復期リハビリテーション病棟の重要な役割です。
山本勝彦 大道中央病院リハビリテーション科(那覇市)
新着記事
リニューアル前のサイトはこちら