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せきやたんが増え息苦しい…
せきやたんが増え息苦しい…
2024年01月31日公開
肺の生活習慣病COPD、喫煙者の15~20%発症 心血管疾患などリスクも
最近、せきやたんが増えて息苦しい時はありませんか? 朝起きた時、たんが絡んで息がしづらくはないですか? たばこを吸っていませんか?
肺の生活習慣病と呼ばれるCOPD(慢性閉(へい)塞(そく)性肺疾患)という病気があります。主に長期間にわたる喫煙が原因で、喫煙者の15~20%がCOPDを発症するといわれています。
たばこの有害物質で肺胞が壊れると、肺は弾力性を失います。また気管支の慢性的な炎症は、気管支の内腔を狭くし、空気の出し入れ(流れ)に障害が出てきます。そうなると、せきやたんが多くなり、息を吐き出しにくくなってきます。さらに肺が傷んでくると、酸素の取り込みができなくなり、酸素不足によって少し動いただけでも息切れしてきます。
日本では40歳以上の8・6%(70歳以上では6人に1人)、530万人以上の患者がいるといわれます。しかし予防や治療に取り組んでいる人は1割にも満たないとの報告もあります。
COPDは全身の病気ともいわれ、狭心症や心筋梗塞、骨粗しょう症、糖尿病のリスクにもなります。COPDは早期から血管内皮機能が低下して動脈硬化を促進し、特に心臓の筋肉に血液を運ぶ冠動脈に狭(きょう)窄(さく)や閉塞が起きると、狭心症、心筋梗塞になってしまいます。
また、安定期COPD患者の3割に心不全が併存するともいわれます。不整脈の合併も多く、心房細動の発症を増加させます。病の進行とともに呼吸機能の障害だけでなく、心血管疾患にもつながるのです。
最大の原因は喫煙です。すでにCOPDになっていてもたばこをやめれば、その後の肺機能の低下を防ぐことができます。禁煙はCOPDだけでなく心血管疾患の予防、治療において最も重要で、完全な禁煙が必要です。早く見つけて治療に取り組むことが大切です。
診断には呼吸機能検査(スパイロメトリー)を用います。40歳以上で喫煙歴があり、長引くせきや息切れがある方は、呼吸器専門外来へご相談することをお勧めいたします。
洲鎌盛一 牧港中央病院心臓血管外科(浦添市)
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