がんと伝えられたショックに手術や入院の不安

がんと伝えられたショックに手術や入院の不安

2024年01月24日公開

患者を支援するため、さまざまな専門職が連携

 病院の外来を受診することはあっても、入院を経験する機会は多くないと思います。ましてや、がんの手術のための入院となると、がんと伝えられたショックや手術に対する怖さに加えて、入院生活の不安もあるでしょう。

 治療が円滑に進むように、入院中は多くの医療関係者が連携して患者を支援します。入院が決まると、入院サポートセンターの職員が患者の体の状態や生活の状況、内服薬について詳しく確認します。病状への理解度も確認し、入院に関する流れをお伝えします。また、安心して麻酔が受けられるように、麻酔科医も詳しく説明します。

 入院するとすぐに、医師や病棟看護師、入退院支援看護師、医療社会福祉士、理学療法士などのスタッフが、どのような支援が退院時に必要かを話し合います。入院中は薬剤師、理学療法士、栄養士などが病室を訪れ、必要な情報を提供します。

 薬剤師は持参薬をチェックし、術前に休止すべき薬をピックアップして服薬指導します。理学療法士は、入院中の運動機能評価や運動指導、術後のリハビリを担当。管理栄養士は手術前後の栄養評価と栄養サポート、術式に合わせた食事内容を指導します。

 入院生活や治療の不安に伴う心理的な問題には臨床心理士が対応します。手術後の痛みには、疼痛(とうつう)管理チームが病室を訪問して痛みの評価と適切な鎮痛について確認します。

 他にもがん薬物療法認定看護師や、緩和ケア認定看護師、がん化学療法看護認定看護師、がん病態栄養専門管理栄養士などの専門的な知識を持つスタッフが必要に応じて支援に加わります。医療ソーシャルワーカーは退院後の生活支援や医療費、生活費などの経済的問題について情報を提供し、退院後に利用できる施設の調整、必要な介護サービスの調整、訪問看護、訪問診療の情報も伝えます。

 入院前から退院後までさまざまな職種のスタッフが患者を継続的にサポートし、一日も早く元の生活に復帰できるよう支援しています。

仲地厚 友愛医療センター外科(豊見城市)

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