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時間外の救急受診が突出して多い沖縄 背景は?
時間外の救急受診が突出して多い沖縄 背景は?
2023年06月08日公開
体調と関係ない自己都合は控えて
コロナ禍で、行動制限やマスク生活、ソーシャルディスタンスの確保と私たちの生活は一変しました。われわれ救急医は、新たに押し寄せるさまざまな状況に応じて、手探りしながら救急医療に携わっています。今回は沖縄の救急医療について少しお伝えします。
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病院や地域、医療文化の違いによって救急医へのニーズは異なりますが、沖縄では、診療科によらず救急患者の初期対応を行い、良質な総合診療を提供する、いわゆるER型救急が整備されていることが特徴として挙げられます。これに対し、県外では救命救急センター型が多く、受け入れ対象は救急重症患者で、専用病床(ICU)を有します。
どちらも一長一短があり、提供する医療内容をうまく使い分けることが必要ですが、沖縄がコロナ禍で医療体制を維持できたのは、特徴をうまく利用できたからだと考えます。
ただ、他県に比べると簡単に救急外来を受診できる環境からか、沖縄の救急、時間外医療受診数は、他県と比較してとても多い状況が続いています。
この恵まれた救急医療体制を維持するために、県民の皆さまにお願いしたいことがあります。救急受診の際には「自分の都合によるものではないか?」と自問していただきたいのです。夜中の急な頭痛や腹痛、高熱など、体調のことで我慢する必要はありません。「明朝から旅行なので、夜中に受診した」「仕事があったので時間外に受診した」など、体調とは関係ない「都合」を考えてほしいのです。
医療を提供する側は、救急外来を「重症、急患を診察する場所」と位置付けていますが、皆さんは「コンビニのようにいつでも診察してもらえる場所」と捉えていないでしょうか。
これからもわれわれは沖縄県民のニーズに応えられるよう、よりよい医療を提供していく所存ですので、皆さまもコロナ禍でも維持できた沖縄の救急医療を維持すべく、今後とも適正な救急受診をお願いします。
水沼真理子 琉球大学病院救急部(西原町)
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