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がん放射線治療 AIで治療計画作成短縮
がん放射線治療 AIで治療計画作成短縮
2025年10月22日 公開
がんと診断された時、多くの人が最初に思い浮かべるのは手術や抗がん剤でしょう。しかし、もうひとつ大切な治療法があることをご存知でしょうか。それが「放射線治療」です。
放射線治療は、がんのある部位にエックス線などの放射線を照射してがん細胞を死滅させる治療です。手術のように身体を切る必要がなく、抗がん剤のような全身への副作用も比較的少ないという特徴があります。
「放射線治療って熱いのでは?」「痛いのでは?」と不安に思う人もいるかもしれませんが、実際には治療中に熱さや痛みを感じることはありません。コンピューター断層撮影(CT)のように横になって、数分から長くて30分程度じっとしているだけで、通院しながら治療を受けることも可能です。
近年では、放射線治療の技術も大きく進化しています。例えば、最近では「オートコンツール」と呼ばれる人工知能(AI)支援ツールが導入され始めています。これは放射線治療計画用のCT画像上でがんや正常組織の位置を自動で描き出すもので、治療計画の作成を大幅に効率化します。これにより、放射線治療計画の作成にかかる時間が減り、医師が患者さんの診察や自己学習に今よりも多くの時間を割けるようになることが期待されています。
さらに、強度変調放射線治療(IMRT)や画像誘導放射線治療(IGRT)といった技術も精密さを増しており、より安全で効果的ながん治療が可能になってきています。
がん治療にはさまざまな選択肢があり、その中でも放射線治療は、がんの種類や患者さんの状態によっては第一選択となる重要な方法です。手術や薬物療法と並んで、放射線治療という選択肢もあることを知っておくことが、より納得のいく治療選択につながります。
そして最後に――。実はこの原稿も、私の指示のもと、AIが作成しました。医療が一部とはいえAIに任されることに不安を覚える方もいらっしゃるかもしれませんが、この原稿を読めば、その完成度の高さに驚かれたのではないでしょうか。医療の現場でも、AIが頼もしい道具として活用され始めています。
前本均 琉球大学病院 放射線科(宜野湾市)
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