お酒との付き合い方 不安ある場合は相談を

お酒との付き合い方 不安ある場合は相談を

2025年03月12日 公開

 沖縄の伝統的なお酒といえば、泡盛です。その歴史は500年以上にも及び、じっくり熟成された奥深い味わいは、沖縄の誇るべき食文化のひとつです。しかし、飲み方を誤ると健康を損ねる原因にもなりかねません。特に高齢になると、お酒の影響を受けやすくなるため、賢い付き合い方が求められます。

 加齢に伴い肝臓のアルコール分解能力が低下し、少量の飲酒でも酔いやすくなります。また、アルコールは睡眠の質を低下させたり、夜間の頻尿を引き起こしたりすることがあり、不眠の原因になることもあります。さらに、血圧や血糖値の上昇を招き、生活習慣病を悪化させる可能性もあるため、注意が必要です。

 お酒は一時的に気分を和らげますが、飲みすぎると逆に気持ちが沈んだり、不安感が増したりすることがあります。特に、寂しさを紛らわせるために飲む習慣がつくと、孤独感が深まり、アルコールに依存しやすくなることもあります。

 飲酒のリスクを減らすには、飲酒量を控えるのが最も有効です。飲むほど健康への影響は大きくなるため、「控えめにする」ことを意識しましょう。また、「飲まない」という選択も健康を守る上で有効です。飲まないことで体調管理がしやすくなり、生活リズムも整いやすくなります。

 飲む場合は、タイミングや食事の内容にも気を配りましょう。空腹時の飲酒はアルコールの吸収を早め、胃腸への負担を増やします。食事とともにゆっくり飲むことで、体への影響を和らげられます。

 「なんとなく習慣で飲んでいる」「飲まないと落ち着かない」と感じる場合は、一度飲み方を見直してみるのもよいでしょう。飲酒について不安がある場合は、かかりつけ医や専門機関に相談することも大切です。

 お酒を楽しむことも、飲まない選択をすることも、自分の健康を守るための大切な判断です。「ほどほどに、楽しく、安全に」を心がけ、お酒との付き合い方を考えてみませんか。お酒と無理なく付き合うことで、人生をより楽しめるかもしれません。

石川敦祥 糸満晴明病院 精神科(糸満市)

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