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メタボリック症候群の予防 発生率高める生活習慣
メタボリック症候群の予防 発生率高める生活習慣
2024年02月14日 公開
全国1位の有病率
メタボリック症候群(以下、メタボと略)は心臓病や脳卒中などの重篤な病気の原因になります。メタボは内臓脂肪型肥満(内臓脂肪・腹部肥満)に高血糖・高血圧・脂肪異常症のうち二つ以上の症状が一度に出ている状態です。
県別メタボの有病率は沖縄県が全国1位の高率を示しています。当院の約4万人の健診データ(2019年度)でも、男性のメタボと診断された率は30%(2018年度の全国値は23%)、女性では13%(2018年度の全国値は7%)と高率でした。
12年間の追跡調査
2008年度に当院の健診を受けた方々でメタボでなかった勤労者2781人を対象に、その後12年間にわたってメタボの発生について調査しました。この調査によって、どのような生活習慣があるとメタボを発生しやすいのか、明らかになりました。いろいろな生活習慣のうち、統計的に有意な関連性を示した項目は、「間食‥朝昼夕の三食以外に間食や甘い飲み物を摂取している」、「早食い:人と比較して食べる速度が速い」、「朝食抜き:朝食を抜くことが週3回以上ある」などでした。
ある生活習慣があるとメタボ発生率が何倍になるかを示した指標「ハザード比」は、朝食抜き、早食い、間食などの生活習慣により1・19~1・26倍に増えることが明らかになりました。朝食抜き、早食い、間食などの生活習慣改善がメタボの予防に重要なことが分かりました。(調査結果は2022年に医学雑誌「Preventive Medicine Reports」に発表)
四つの注意点
一つ目に、毎年の健診でメタボや健康状態を把握しましょう。二つ目は「間食」です。甘いものに手が伸びそうになったら、砂糖抜きのコーヒーなどを飲んで気を紛らわしましょう。
三つ目は「早食い」です。一口ごとにお箸を置いて30回噛みましょう。よく噛(か)むとインスリン(血糖値を調整するホルモン)が活性化されて高血糖を防ぎ、肥満予防につながります。四つ目は「朝食抜き」です。朝食は三食の中で最も重要、バランスよく食べましょう。朝食を抜くと、インスリンの効きが悪くなり、高血糖や肥満につながります。
岸本拓治 北部地区医師会病院(検診科)
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