口腔リハビリテーション 自分らしい暮らしを最後まで

口腔リハビリテーション 自分らしい暮らしを最後まで

2026年09月30日 公開

 沖縄赤十字病院では、2025年10月1日より地域包括ケア(地ケア)病棟を新たに39床開設しました。急性期病棟での治療を終えた後、自宅や介護施設等へ入所される患者さんに、入院療養を継続しながら「退院に向けた準備を整える」ための病棟です。

 病気の治療で入院が長くなると認知機能が低下したり、足腰が弱ったりと、退院した後に入院する前と同程度の生活ができなくなってしまうことがあります。歯科から見ると、お口から食べていたのが、虫歯や歯槽膿漏(のうろう)が進行して痛みが出たり、義歯が合わなくなって食べられなくなったりすることがありますし、病気の治療でしばらくお口から食べていなかった患者さんは、噛(か)む力や飲み込む力が衰えてしまったりすることがあります。

 そのため、地ケア病棟では認知機能や足腰のリハビリテーションに加えて、噛む・飲み込むための口腔(こうくう)リハビリテーションにも力を入れていく必要があります。当院歯科口腔外科は普段は難しい抜歯や、顎や口腔粘膜にできる疾患を主に治療しています。それに加えて、全身麻酔手術や、がんの化学療法、放射線治療を行っている患者さんの歯科での専門的な口腔ケア(ブラッシングや歯石除去、口腔粘膜ケア)を定期的に行っています。

 それによってお口の清潔な状態を維持し肺炎や創部感染、発熱を予防して病気療養中でも安心してお口から食べれるようにサポートしています。このノウハウを生かして、どんな状況の患者さまにも口腔リハビリテーションを導入する準備ができています。

 ただ、入院期間内で義歯を新たに作成し細かな調整をしたり、虫歯の治療や神経の治療などまではできません。長期にわたる歯科治療に関しては、退院後に地域の歯科医院と当科で連携・協力して治療を継続してもらいますので心配ありません。

 25年には国民の5人に1人が75歳以上の後期高齢者となる「超高齢化社会」を迎え、認知症高齢者は今後さらに増加し、地ケア病棟のニーズはますます増加するでしょう。「お口から食べる楽しみの支援」を多職種と連携してサポートできるように取り組んでいきますので、お気軽に相談ください。

後藤尊広 沖縄赤十字病院 歯科口腔外科(那覇市)

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