ウオーターサーバー事故 小児熱傷の最も多い原因

ウオーターサーバー事故 小児熱傷の最も多い原因

2026年08月20日 公開

 自宅や街中でよく見かけるウオーターサーバーは、冷水やお湯がすぐに使える便利な存在です。しかし、その便利さの陰でこどもの事故が増えていることをご存じでしょうか。

 当院の調査では、ウオーターサーバーによる熱傷で救急受診したこどもの数が、過去5年間にわたり毎年16~20人で推移しています。さらに2024年には、小児熱傷の原因別で最も多い要因となり、身近な事故として注意が必要です。

 「ウオーターサーバーは、こどもが大きくなってから使えるようになるもの」―。そう思っていませんか?

 実は受傷したこどもの約8割は2歳未満で、驚くことに生後10カ月から、こども自身が興味を持って遊んだことによる熱傷が確認されています。つかまり立ちができるようになる頃から、特別な不注意がなくても事故は起こり得るのです。なかには入院治療や小児集中治療室での管理が必要となったケースもあり、約1割は傷跡が残るなど、決して軽視できる問題ではありません。

 事故を防ぐための第一歩は「つかまり立ちができる=すでに危険と隣り合わせである」という認識を、家庭全体で共有することです。その上で、設置場所の見直しや安全柵の使用など、こどもが簡単に近づけない環境作りが重要です。卓上型の機種を選ぶなど、物理的に距離を取る工夫も有効でしょう。

 また、チャイルドロック機能は重要な事故予防策ですが、過信は禁物です。ボタンやレバーを同時に押すことで解除できるタイプでは、意図せずお湯が出てしまう危険があります。また、利用者が手動でロックをかけるタイプでは、ロックのかけ忘れによる事故も確認されています。より安全性の高い構造を選び、日常的にロックを確認する習慣が求められます。

 ウオーターサーバーは、飲用水や料理用に便利なだけでなく、安全なお湯による手軽なミルク調乳や、災害時の備えとしても心強い存在です。事故は「いつでも起こり得るもの」として備える姿勢をもって、こどもの健康と安全を守っていきましょう。

篠原嶺 県立南部医療センター 小児科(南風原町)

新着記事


リニューアル前のサイトはこちら