沖縄県医師会 メディネット大樹おきなわ。
検索キーワード、
?検索方法のヒント   
このコンテンツは、 の順に辿れます。

■随筆

屋久島シャクナゲ登山
〜ロクでも「ある」山に登ってきました!〜

長嶺胃腸科内科外科医院 長嶺 信夫

長嶺 信夫氏

1.パパ、今日は無理だから帰ろう!

フラフラになり、目を閉じると目の前が真っ白!ギラギラして今にも倒れそうになった。今日はダメだ!急いで登山道の脇に仰向けに倒れこんだ。じっと眼を閉じたまま動かない。傍で娘の小緒里が心配そうに立っているのがわかる。やがて落ち葉のヒンヤリした感触が背中にここちよく感じられてきた。眼を閉じたまま時間が過ぎていく…。

「パパ、今日は無理だから帰ろう!」「今日は降りて、明日登ろう!」

無理もない、このざまでは登山はとてもできない。そう考えながらも、そのまま落ち葉の上に大の字になって眼を閉じていた。

「ここに寝ていると冷えるから帰ろう!!」娘の心配そうな声がひびく。

「今日はダメだ、帰ろう!」残念だが帰るしかない。起き上がり、側に放り出したリュックに手をのばした。

2.癒しの島・屋久島

昨夜は山小屋で寒さに震えて一睡もできなかった。

ことの次第はこうだ。苦難の連続であった「菩提樹植樹地取得と農振地転用」問題に目途がつき、堪え忍んだ自分自身へのごほうびとして計画したのが「屋久島シャクナゲ登山」であった。長期にわたる激しいストレスで私の頭頂部は今や不毛の大地、ヘリコプターの着陸場と化し、僅かに白いペンペン草が生えているだけである。苦悶し、眠れぬ夜が続いていた時、時折心に浮かぶのは屋久島で過ごしたやすらぎの日々であった。すさんだ心を癒し、精霊達と戯れることができる屋久島は今や私の心の古里になっている。

写真1.右・宮之浦岳(1,936m)と
左・翁岳(1,860m)の遠望、
2003年1月2日撮影。
ところで、2年前の宮之浦岳(1,936m、九州最高峰)登山の時は大雨、洪水、雷注意報発令中のため、山小屋で2日間の足止めをくらった。そして、とうとう登山をあきらめて下山していた(写真1)。その後は例の菩提樹の件で登山どころではなくなっていた。永らく放り投げていたリュックはその後雨具や残りの食料を取り出し、乱雑に放置していたのだが、登山が近づいてきたため、2階の物置部屋から1階に下ろしていた。当初リュックにはテントやシュラフ(寝袋)など登山用品一式を入れていたのだが、重いリュックをかついでの山歩きは最近の体力から無理である。今回は山小屋で宿泊することに決め、テントを取り出し、あらためて荷物を詰めなおすことにしたのである。2003年10月の登山の時はシュラフだけで震えたので今回はシュラフのほかにダブルの防寒ジャンパーの内側を取り外し持って行くことにした。標高1,500m地点にある山小屋では夜間0度近くまで気温が下がるからである。


 

コピーライト 2002 社団法人 沖縄県医師会。
リンクポリシー著作権についてメール