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■若手コーナー

開業顛末記

屋宜内科医院 院長 屋 宜 宣 治


開業し、平成16年11月であっという間に3年がたちました。このたび、県医師会報で開業の顛末期と今後の進路を決める先生方へのアドバイスを載せる「若手コーナー」への寄稿を依頼され、改めて開業前から現在までを振り返ってみますと、いろんなことを思い出すことができました。

【退職から開業へ】
 現在開業されている多くの先輩先生方と同じように、私も勤務医からの開業ですが、私の場合少し違いがあります。今から思うと、無謀なことをやったものだと思っております。

私の開業は一言で言えば「計画性に欠けている」といったところでしょう。

平成13年3月末日で退職したのですが、退職の気持ちが固まったのが平成12年10月頃であったと思います。退職の理由は、「自分が理想としている診療を行いたい」と考えたからです。開業にこだわったわけではありませんが、勤務医では結果的にその希望はかなわないと考え平成13年1月頃に開業を決心しましたので、ほとんど開業の準備を行わず退職を迎えたといった状況でした。

そのため、開業準備が退職後にずれ込み、退職から開業まで8ヶ月という期間が空いてしまいました。多くの方々に「8ヶ月も空いたから、患者さんの数が増えるまで時間がかかるよ」いわれ、実際にそのような結果でした。

しかし、当時この空いた8ヶ月という期間にあせりはありませんでした。とても貴重な経験をすることが出来たからです。本土で糖尿病を専門とし、成功している開業の先生のクリニックに見学に出かけたり、目指している医療を実践している病院での研修を行うなど、勤務していては出来ないだろうと思うことを積極的に行いました。また、自分のクリニックが出来上がる一部始終を見届けることも出来たことは、自慢できる点の一つだと思います。

さらに、当時小学校1年の息子と2人で夏休みにディズニーワールドへ旅行をする時間をとることが出来たことも貴重な経験でした。帰国後約10日後にあの9.11テロがありましたが、当時は旅行の安全に対する不安など少しもなく、楽しいフロリダ旅行ができました。

【開業から現在】
 
開業後、勤務医時代には経験しなかったことがいくつかあります。

それは、「1.職員を確保しなければいけないこと。 2.患者様がいなければ収入がないこと。3.患者様の負担が見えること」です。

1. 満足できる医療サービスを提供するための職員を確保することは、とても大変なことです。開業前、スタッフ募集も大変でした。開院1週間前に予定の数を確保できました。しかし開業後もスタッフのお産による休職、病気による退職など入れ替わりが何度かあり、その度に職員確保では苦労するものです。

2.「患者様がいなければ収入がない」、これは当然のことですが、今までは勤務医なので患者様の数で給料が変動することはありませんでした。しかし、開業するとそういうわけにはいけません。職員へお給料を払っていくためにも、患者様がいなければどうにもならないのです。

3. 勤務医時代には、患者様がその日の診療にいくら払ったかを気にすることはあまりありませんでした。しかし、開業すると患者さんの負担が毎日見えてくるのです。そのため、診療回数、検査内容など患者様にとってより効率のよい診療を考えなければと考えさせられるものです。

【最後に】
 現在開院し3年が経過し、通院の患者様も少しずつ増えてきました。スタッフの入れ替わりもなくなり、患者様へのよりよい医療が提供できる環境が充実しつつあります。やっと理想の医療の入り口に入りかけたところです。

このような私ですから、アドバイスなどというのは以ての外で、私のような失敗をされないよう、開業を予定されている先生方はしっかり計画をたて開業に向けて頑張って下さいというのが私のアドバイスでしょうか…。




 

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