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■報告

第100回沖縄県医師会医学会総会

後列左より、玉城信光先生、友寄常任理事、當山副会長、宮城副会長、安里常任理事
前列左より、比嘉国郎会頭、稲冨会長、講師の小柴昌俊先生、比嘉實医学会長

会頭挨拶



第100回沖縄県医師会医学会総会
会頭 比 嘉 国 郎

第100回沖縄県医師会医学会総会の開催にあたり、一言御挨拶申し上げます。

今回は記念すべき第100回目にあたり、このような機会を与えてくださいました県医師会長 稲冨洋明先生、県医学会会長 比嘉實先生をはじめ、会員の皆様に厚く御礼を申し上げます。

歴史を振り返ってみますと、1903年に沖縄県病院で沖縄県医会、医学会が開催され、1905年に沖縄県医会会報第1巻が発刊されました。第2次世界大戦前は医師会も紆余曲折があり、1946年沖縄医療団会議が発足し、戦争の傷跡が生々しい早い時期の1951年第1回沖縄群島医学会総会が開催され今日に至っています。過去50年間の医療に関するキーワードを列挙してみますと、第2次世界大戦直後の診療所や病院の不足、医師や医療従事者不足、僻地医療、県立中部病院研修、琉球大学医学部開設、ハンセン氏病問題、風疹症候群の多発、最近では沖縄の世界長寿地域宣言、男性の平均寿命26位ショック、九州地域ではAIDS患者発生数一位などがあります。

さて21世紀に入り、医学の進歩は目を見張るものがあります。ロボットを使用した整形外科手術や心臓外科手術、特に米国では日帰りの心臓バイパス手術が話題になっています。種々の優れた免疫抑制薬、抗ガン剤、関節リウマチにおける抗サイトカイン療法の登場、遺伝子治療、再生医療などが急速に進歩しつつあります。その反面、2003年にはクローン人間の誕生が話題となり、その真偽と是非が問題となりました。世界中で繰り広げられているゲノムプロジェクトは医療の倫理や医療とビジネスなど複雑な問題を抱えています。また近年BSE、SARS、鳥インフルエンザなどの感染や死亡例が報告され、食の安全の問題がクローズアップされています。国内にあっては低迷する経済情勢に端を発し、総医療費の抑制を旗頭に、急性期病床、慢性期病床区分の変更、特定機能病院、地域支援病院など病院の機能再編など医療界は目まぐるしく変化しています。国民皆保険制度のもとに世界的にみても“類をみない安い医療費”で国民の健康が確保されている日本。しかし、私たち医療を提供する側に対して、国民からはさらに医療の質の向上や医療における安全の確保が要求されています。毎年8,000人もの医師が誕生しているにも関わらず、北海道や東北地方では医師不足が深刻な問題となっています。わが県では八重山、宮古、久米島地域の医師不足が今日まで十分解消されていないのが現状です。今年より新たに臨床研修必修化が義務づけられ、本県では県立中部病院に続き、琉球大学附属病院、群星の2つの臨床研修プログラムが誕生しました。豊富な知識や技術を備え、優秀で、かつ心豊かな医者を多く育成する事を期待しています。

今回は「沖縄県医師会医学会100回の歩み−戦前・戦後・未来」のテーマでシンポジウムを企画しました。冒頭でも述べましたが歴史的には日本の中では一番劣悪な医療環境下にありながら、県や医療界のたゆまぬ努力により1995年には沖縄県の長寿が検証され、世界長寿地域宣言をしました。しかし、その後の10年で本県の状況は一変しました。わが県の男性の平均寿命が26位まで転落したのはご承知の通りですが、全国と比較し生活習慣病の頻度が高く、いわゆる“メタボリックシンドローム”も全国一であることが判明しました。一方、老人医療でも黄信号がともりつつあります。確かに10万人あたりの100歳以上の人数は全国一ですが、以前は医療費がもっとも安かった本県が最近では年間1人あたりの医療費が81万円と増加しています。全国で11番目に高く、増加率では全国一になっています。健康長寿の観点からは山梨県や長野県に地位を譲ってしまいました。県および県立病院、県医師会、琉球大学医学部と連携し、これからいかに本県の健康長寿を取り戻すか今後の大きな課題と言えます。本シンポジウムと学会で活発なご討議を期待してご挨拶とします。




 

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