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■随筆

ブロッケンの妖怪

宮古南静園
菊 池 一 郎

宮古南静園 菊 池 一 郎

『ブロッケンの妖怪』とは、ドイツのブロッケン山(ドイツ平地、ゲッチンゲンの近くの1142メートルの山)などに見られる現象で、雲の上に日に照らされてできた自分の頭の影の回りに虹が見られるものです。勿論日本の山にも出現します。山登りをする人達には良く知られた現象であるが、私は山登りとは縁がないので知りませんでした。

私は平成8年12月、飛行機が宮古空港着陸寸前に飛行機の影の回りに丸い虹が見えたので、うろ覚えで、これはセントエルモの火かと、あるパソコン通信のフォーラムに書いたら、それは違う、ブロッケン現象であると教えて戴いた。そういえば、何かで読んだことがあった。その後も飛行機に乗る時に、興味を持ってブロッケン現象を観察している。飛行機発着の前後にも出現することもあり、わざわざデジカメでない、普通のカメラを持参している。デジカメは電子機器であるので、発着前後には使えない。

現在は熊本大学におられる医療情報学の吉原教授の手紙によると、『ところでブロッケン現象のことですが、私は山の上によく登っていましたので、何度か経験しました。夕方、 西に日が傾いて、東側にガス(雲)があるときに、自分の影がうつり、頭を中心にまあるい虹が見えます。手を振ると、当然影も手を振り、とてもきれいな現象です。どうしてこれが妖怪なのかわかりませんが、昔の人は理屈が分からないので驚いたのでしょうね』

珍しい飛行機のスクリーンに写ったブロッケン現象を観察したことがある。これは平成10年の6月の正午頃であったが、東京発那覇行きで嘉手納ラプコーンのために低空飛行中にスクリーンが下を写していた時のことである。天候も、ぼちぼち雨が降っているような、日がさしているような条件であった。スクリーンに海の上に機影が写り、それに虹が付き出したのである。私は大喜びで観察していたが(他の人にはヘンな人と思われたかもしれない)、残念ながらカメラを持っていなかったので写真に撮れなかった。

『ブロッケン現象は雲と太陽の位置関係がポイントだそうです。また機体より下に雲があって、上にないという状況が必要でしょう。あと雲が水蒸気をふくんでいることでしょうか』、とある空港の管制官は言っておられました。

ここでは、飛行機の座席からのブロッケン現象の観察について述べてみたい。

1)席は太陽側でない方で、前か後ろの窓側の席がいい。飛行機は回る場合もあり、航空 路を考えて席を取る。飛行の時間は朝方か夕方がいい。
2)窓の外をみて、飛行機の機影が見えた場合は、気を付けて観察する。雲の位置をよく考え、カメラを構える。雲の位置が近いと大きいブロッケン現象、遠いと小さいブロッケン現象が見える。
3)当然であるが、虹は自分の座った座席の影を中心にして出る。
4)天気が悪い、雲が多い時が出現しやすい。

ブロッケン現象を土地起こしに使っている町のことを記載しよう。福島県奥会津地方の只見町は標高500メートルの平地であるが、ダムがあるお陰で夏の朝、川霧が発生する晴れた午前6時から8時にかけ、ブロッケン現象がみられる。テレビによると、川の上の橋から川霧の上に明瞭におきるブロッケン現象に対し、腕を上げて確認している。その人の影であるので当然腕の影も上がるのである。

それで思い出して、只見町のホームページを検索してみたら、ブロッケン現象の出来る理由や、驚くべき写真まで出してあった。只見川にかかる幾つかの橋やダムから見られるという。その一つの写真は外の景色がよく見えて、とても素晴らしい。山や平地でみるブロッケン現象の虹は、その部位より下にスクリーン(雲か霧)がない場合が多く、多くは半円形であるが、飛行機からみた場合円形である。しかし、雲の切れ目の関係でいろいろの形があるのは言うまでもない。

また、インターネットでブロッケン現象で検索したら、山で見るブロッケン現象の写真を見ることが出来た。インターネットとは便利なものである。もっとも飛行機から見たブロッケン現象の記載はなかったので、この報告も少しは意義があろう。

飛行機からみたブロッケン現象、撮影者は円の中央(翼より前)にいた。
飛行機からみたブロッケン現象、
撮影者は円の中央(翼より前)にいた。

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