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■琉球新報2003年07月15日付夕刊に掲載


胆のうポリープ

奥濱幸博(県立那覇病院)

■10ミリ超えたら要注意
■定期的に超音波検査を


「胆のうに小さいポリープがありますね」 人間ドックや健康診断などで、腹部の超音波検査を受けた際に、こんな指摘を受けた人は少なくないと思います。今回は、その胆のうポリープについて述べてみたいと思います。

胆のうのポリープとは、「胆のう周囲粘膜から、明らかな立ち上がりを示す病変(隆起性病変)」を指しますが、粘膜から立ち上がりを示す病変のすべてが良性のポリープとは限りません。

近年、超音波検査の普及によって胆のうの小隆起性病変が発見される頻度が多くなっていますが、ポリープでも「コレステロールポリープ」「過形成性ポリープ」「炎症性ポリープ」などがあり、ほかにも腺腫(前がん病変)、腺筋症(胆のうの壁が厚くなる病気)など多くの良性の病変も見られます。

良性があれば悪性(がん)もあるため、これらを鑑別することが治療方針を決める上で大変重要になります。

さて、隆起性病変の良性と悪性の鑑別の方法ですが、超音波検査やCT検査、あるいは超音波内視鏡検査、また場合によっては血管造影検査などによって、その特徴的な所見を見いだして診断をつけることになります。画像上の特徴のみならず、病変の大きさも疾患と深く関係してきます。

超音波で計測した胆のう隆起性病変の大きさと疾患頻度を調べた研究では、全体として「コレステロールポリープ」が多く、十ミリ以下の隆起性病変の半数以上を占めています。十ミリ以下ではがんの頻度は1%程度です。ところが十ミリを超えるとポリープ、腺腫、がんが同頻度となり、十五ミリを超えると、もはや、がんが半数以上を占めることが分かっています。ただし、十ミリ以下の病変でもがんはあり、それ以上の大きさでもポリープである場合があります。

当院では、基本的に十ミリを超えるポリープの場合、良悪性の鑑別が困難な症例や、悪性が疑われる症例に対し、手術を勧めています。

ところで、大腸ポリープの場合は、内視鏡的にポリープを切除することができますが、胆のうポリープの場合は、ポリープを切除する事がすなわち胆のうを摘出することを意味します。良性か悪性かで手術方法が異なり、悪性でも進行の程度によって手術方法がかなり違います。

がんを根治するためには、早期発見、早期治療が重要であることは言うまでもありません。胆のうがんは、その解剖学的特徴から、肝臓および胆のう周囲に広がると、手術を行っても治ることが難しく、消化器のがんの中でも極めて治療成績の悪いがんの一つです。したがって、胆のうポリープと診断された方は「胆のうポリープはすべて良性の病変ではなく、大きくなればがんの可能性もある」ことを認識し、定期的に超音波検査を受けることが大切です。

また昔から胆のうがんの高危険群とされる胆石症や、膵(すい)胆管合流異常(膵液が胆管に逆流する病気)の患者さんにも、同様に定期的な超音波検査をお勧めします。


 

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