沖縄県医師会 メディネット大樹おきなわ。
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■沖縄タイムス2006年2月15日付朝刊に掲載


自然治癒力

からだは健康になりたがる

仲宗根和則・なかそね和 内科

私たちの身体には、自然治癒力という魔法の健康維持装置があるのを、知っていますか? 例えば、小さな切り傷や擦り傷が跡形もなく治癒する。また、自然に消滅した膨大な自覚症状の山を思い出してください。がんの自然治癒さえ確かにあるのです。「からだは健康になりたがっている」。これはアメリカで自然医学、および予防医学の大切さを説くアンドルー・ワイル博士の言葉です。振り子が静止した安定状態に戻りたがるように、われわれの身体の中にはホメオスタージス(恒常性の維持)という、黙っていても健康に戻してくれる機構が絶えず働いています。

身体の中では日々、年老いたり、傷ついた細胞が絶えず新しい細胞へ生まれ変わっています。毎秒一千万個にも達するこれらの細胞の入れ替えの際に、DNA(細胞の設計図)の間違いを細胞自らが診断し、瞬時に修復するという、神のような離れ業の恩恵を誰もが等しく受けているのです。これでは病気になる方が難しい。

ではなぜ病気があふれているのでしょうか? それは、本来備わっている健康維持装置を知らず知らずのうちに縮小しているからです。大量の飲酒や喫煙、過食などの生活習慣の乱れは、老化やがんの原因となる有害な活性酸素を増やし、その除去のために貴重な体内の酵素を消費してしまいます。これらの酵素は本来、先ほどの健康維持装置に使われるべきものです。酵素は体内でも合成されますが、日々、消化酵素として腸管内で大量に消費されます。暴飲暴食は活性酸素の増加と消化酵素の浪費という点で二重の罪があります。

現代は化学物質(食品添加物、防腐剤、着色料、農薬、環境ホルモン)やストレスで増えた活性酸素を処理するために、絶えず体内の酵素を消費しています。特に食事は毎日の事だけに、健康に対する影響は大です。難しく考える事はありません。住んでいる土地の、旬の食材をおいしくいただけばいいのです。過剰な脂肪と食用油を控え、加工食品の代わりに新鮮な野菜、穀類や発酵食品を積極的に摂取して食品の酵素を取り込み体内に酵素を補充することが大切です。

後は健康維持装置を信頼して自信を持てば、自然治癒力が心身の健康を保証します。医者が外部から治療を施すのは、体内の偉大な自然治癒力に引き継ぐ露払いの役目です。自然治癒を妨げる食事やライフスタイルを矯正し、病気を予防することが、ラテン語で「教師」を意味する、ドクターの真の役目です。


 

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