沖縄県医師会 メディネット大樹おきなわ。
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■沖縄タイムス2006年2月8日付朝刊に掲載


のどの痛み

よくある症状でも注意を

與座朝義・よざ耳鼻咽喉科

のどの痛みを経験したことのない人は、まずいないでしょう。普通はまず風邪の症状と思い、うがいをしておけばそのうち治るものと考えます。しかし、そのうち発熱も下がらず食事も食べにくいとなると急いで病院に行くことになります。そのような場合には急性扁桃炎の可能性が高く、抗生物質を投与しないと治らず、入院を要する場合もあります。

また、その内に口が開きにくくなったりする場合もあります。そのような場合には扁桃の裏側に膿がたまる扁桃周囲膿瘍が考えられます。この場合は口内より切開して膿をだす処置が必要になる場合もあります。この診断は以前は耳鼻科医が目で診て扁桃の周囲の腫れ具合から判断していたのですが、最近では救急室でCTスキャンが撮られて、耳鼻科以外の医者でも膿の存在を診断するようになりました。そこで見つかる膿の中には扁桃の裏側奥深くにあり、通常の局所麻酔で行うには困難な場合もでてきました。

抗生物質の投与だけで治る場合もありますが、治らない場合には全身麻酔下に扁桃を摘出して膿を出してしまう手術が必要な場合もあります。症状が改善しないのに膿を放置しておくと、膿は次第に周囲組織へ流れていき首やさらには胸の深い部位にまで達し致命的な状態に陥る場合もあります。このような状況になると呼吸苦もでてきて、気管切開術という侵襲度の高い手術が必要になってきます。気管切開術は喉頭が病変で狭くなって呼吸困難に陥ったときに、喉頭より少し下の気管で穴を開け、気道のバイパスを作る手術です。この手術で患者さんに大きな負担となるのは、気管切開をしている間は声が出しづらくなるということです。

次に急性喉頭蓋炎についても述べておきましょう。喉頭蓋というのは喉頭の上部にあり空気が喉頭に入っていくところを、食物が通るときに後方に倒れてふたをし食物が喉頭、肺に入るのを防ぐ働きがあります。この喉頭蓋が細菌感染によって腫れ上がり進行すると、喉頭の入り口をふさいで窒息死する可能性があります。この病気が怖いのは通常の咽頭の診察では見えないので、軽い風邪程度に誤診される可能性が高いことです。

さらに怖いのは、呼吸困難がでてくると短時間のうちに窒息状態に陥り、緊急の気道確保が必要となることで、さらにさらに怖いのは、この気道確保が熟練した医者でも遭遇したくないと思うほど難しいのに、誰の身にふりかかるか分からないほどの緊急性があることです。


 

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