子供の健康
    ◇小児の外科的疾患◇
    小児の黄疸 白目まで黄色に

     今回は小児の黄疸についてお話しします。黄疸というのは読んで字のごとく体が黄色くなること です。時々みかんの食べ過ぎにより、手足が黄色くなることがありますが、これはカロチンという 物質がたまることによるもので、黄疸とは違います。黄疸の時は眼球結膜(目の白自の部分)も黄 色くなりますので容易に区別がつきます。黄疸は胆汁に含まれるビリルビンという色素が体の中に たまることによって起こります。この胆汁は肝臓で作られ、一時胆のうにためられた後に総胆管と いう管を通って最後に膵臓の管と一緒になって十二指腸に排出されます。黄疸はこれらの胆汁の通 り道のどこかで障害が起こり胆汁が十二指腸に流れなくなるために起こります。
     予供の黄疸は大部分が肝炎や生理的黄疸など内科的な疾患ですが、中には手術を必要とする外科 的黄疸があります。その代表的なものに胆道閉鎖症と先天性胆道拡張症(総胆管のう腫)がありま す。
     胆道閉鎖症は肝臓から出てくる胆管がなくなってしまう病気です。女の子に多く、約一万人に一 人の割合で発症するといわれています。生まれて二〜三週目ごろから白い便をするようになり、黄 疸に気づかれることが多いようです。この病気では肝臓から出てくる管がないため、早めに肝臓の 出口に腸の一部を縫いつけて、胆汁の通り道を作ってあげなければなりません。しかしこの手術で も全員が術後に胆汁が出てくるわけではなく、約二〇%の赤ちゃんは胆汁が出ません。胆汁の出な い赤ちゃんは肝臓移植しか助かる道はないのです。特に生後六十日を超えてからの手術となります と、手術の成績が格段に悪くなります。早期発見と早期手術が最も大切です。
     手術した赤ちやんの二〇%は健康に成長し、他の六〇%は上行性胆管炎を繰り返し、将来肝移植 を必要とするほどの重度の肝硬変になると言われています。事実一九九五年までの集計では四百人 以上の子供たちが海外での肝移植や国内での生体部分肝移植を受けています。一日も早い日本での 移植医療の確立が望まれています。
     次に先天性胆道拡張症(総胆管のう腫)についてお話しします。これは胆道閉鎖症と異なり予後 の良い病気で、亡くなることはほとんどありません。しかし手術をしなければ、大人になって高率 に胆道系のがんが発生すると言われています。この病気は胆管と膵臓の管が一緒になる部分に異常 があり、膵臓の消化液が胆管内に逆流することにより、胆管、特に総胆管が拡張すると考えられて います。このため、おなかを痛がったり、黄疸が出たり、おなかにしこりを触れたりします。最近 は超音波検査、CTなどが発達してきたおかげで診断しやすくなりました。手術の要点は拡張した 胆管を切除し、肝臓の出口で胆管と小腸を縫い合わせることにより、膵液と胆汁の通り道を分ける ことにあります。術後の状態は非常によく、術後合併症の発生も少なく、前述の胆道閉鎖症とは対 照的に予後の良い病気です。いずれにしても、小児の黄疸は放っておくと重大な結果を招くことが ありますので早めに処置をすることが大切です。
仲間 司