■琉球新報99年12月25日付夕刊に掲載 

低置胎盤で次の出産が心配

問い  七月に第二子を出産しました。妊娠中に低置胎盤を指摘されていましたが、後期は大丈夫だったため三十九週に自然分娩(ぶんべん)で出産しました。胎盤もなかなか出ず、大変痛い思いをしました。出血は約千六百ccと多く、輸血も受けました。貧血と低置胎盤が出血の原因と言われました。もう一人産む予定なのですが、今回のことが怖くて心配です。次の出産に向けて気をつけることはありますか。また、女の子が欲しいのですが、産み分け法も教えてください。

 (31歳・女性) 

<答えるドクター>
正本仁(琉球大学医学部産婦人科) ・・・・・・・・・・・・・・・・

予防法確立していない/事前に診断受けて妊娠を
答え
 前回の分娩が大変であったために、次回の妊娠・分娩に対し、強い不安をお持ちのことと思います。
 低置胎盤とは、胎盤が子宮口の近くに付着している状態を指します(普通の場合には胎盤は子宮の奥の方に付着しています)。子宮口の近くは子宮内膜が薄く、胎盤がこの部位に付着した場合、その一部が子宮の筋層内へと固着もしくは浸潤し、分娩の際に胎盤剥離(はくり)が起こりにくかったり、剥離した際に出血が多くなることがあり、これを癒着胎盤といいます。文面から、このようなことが起こったと推測されます。
 低置胎盤や癒着胎盤を経験した婦人が、次回の妊娠でも同様なことを起こす確率については、多数の症例で検討した報告がなく、まだ不明であり、その予防に関しても、今のところ確立された有効な方法はありません。
 当科では、前回低置胎盤や癒着胎盤を経験した婦人でも、次回の妊娠・分娩が問題なく経過する例を多数経験しており、特に帝王切開や子宮内掻爬(そうは)術を受けたことのない場合には、その再発率は必ずしも高くないように思われます。
 低置胎盤は妊娠中の超音波検査によって診断することが可能であり、癒着胎盤も、胎盤付着部を超音波カラードプラー法で詳細に観察することによって、ある程度予測することができます。
 以上のことから、次回の妊娠・分娩では、低置胎盤であるか否か、もしそうであれば癒着胎盤の可能性があるか否かを前もって診断し、十分な準備をした上で分娩に臨むことが重要であると考えます。次回の分娩に関して不安が強いなら、あなたがたご夫婦が信頼できる産婦人科医に、一度妊娠前に相談し、納得した上で妊娠の準備をされてはいかがでしょうか。
 男女産み分け法については、医療工学的な特殊な手法を用いて男性となる精子、女性となる精子を分別して受精させる方法がありますが、一般に普及している方法ではありません。また食生活や生活習慣上で産み分けが可能だと言われているいくつかの方法があるようですが、いずれもまだ医学的根拠に乏しく、結論として、一般的な産み分けとして利用できる有効な手法はないのが現状です。


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