■琉球新報99年11月27日付夕刊に掲載 

排卵日前後のおりもの異常

問い  二年前に第二子を出産後、排卵日前後のおりものの異常が気になっています。茶色でやや悪臭があり、かゆみもあります。三カ所の産婦人科で診せたところ、一軒目は「特に問題はない」、二軒目では「右の卵巣が少しはれているので半年ごとに大きさのチェックを」、三軒目では「クラミジアのような性感染症かもしれない」と言われ、軟こうを処方されましたが良くなりません。病院によって診断が違い、心配です。二年ほど症状は続いていますが、このまま放っておいていいのでしょうか。

 (女性) 

<答えるドクター>
照屋陽子(琉球大学医学部産科婦人科) ・・・・・・・・・・・・・・・・

中間期出血の可能性/他に病気ないか検査を
答え
 ご相談は褐色の帯下(通常少量の血液の混入による)とのことですので、不正性器出血(月経以外の出血)として考えてみたいと思います。
 不正出血には大きく分けて@子宮や膣(ちつ)などに異常のある場合A卵巣からのホルモン分泌に異常のある場合―の二つがあります。
 今回は排卵の時期の褐色帯下とのことですので、中間期出血の可能性もありますが、この場合、悪臭やかゆみといった症状の原因にはならないと思われますので、ほかに病的な異常がないかどうかの確認をすることが大切です。
 子宮や膣の異常としては、子宮膣部びらん、子宮頚(けい)管や内膜のポリープ、筋腫(しゅ)、炎症などが原因となることがありますが、まれに、がんが原因となっていることがあります。これらの疾患は、婦人科的診察、細胞・組織診、膣分泌物の顕微鏡検査や細菌検査、経膣超音波検査、必要に応じて子宮鏡検査、血液検査などを組み合わせることにより診断することができます。
 がんは子宮頸部(入り口)、体部(奥の方)の二カ所に発生しやすい場所があり、通常、子宮頚がんは子宮がん検診として行われている擦過細胞診で診断できます。体部に関しては簡単な検診ではわかりにくい場合もありますので、当科では子宮鏡という内視鏡検査を組み合わせて診断しています。この検査は、原因のよく分からない不正出血の診断にとても役に立つことがあります。
 相談の中に卵巣がはれているとの内容もありましたが、まれに卵巣腫瘍(しゅよう)の症状としての不正出血のこともあります。これは婦人科的診察、超音波などで鑑別できると思います。
 炎症によるものとしてはカビや細菌、クラミジア、原虫によるものなどがあり、それぞれに対して適切な薬剤を使用すれば症状は改善すると思います。においやかゆみがあるということでしたので、この点はよく調べる必要があるかもしれません。病気によってはご主人も一緒に治療をした方がよいものもありますので、産婦人科医とよく相談してください。
 次に、中間期出血といったようなホルモン性の不正出血がありますが、実際は規則的に排卵があり(基礎体温などで確認できます)、他にがんなどといった異常のないことが確認できれば、あまり心配するものではない場合が多いと思います。しかし、この診断には初めに説明したような病的な異常を否定することが大切です。
 もう一度産婦人科を受診し、必要な検査を受けて、十分に納得がいくよう説明を受けてください。


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